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ベトナム人が驚く日本人の7つの慣習

日本人がベトナムに滞在中、彼らの文化を知る過程の中で、「へえー、ベトナム人ってこんなことするんだ」、「日本とは違うね」という場面に多々遭遇することでしょう。しかし、その一方、日本人が普段何気なくとっている行動や考えがベトナム人にとってはちょっと驚くこともたくさんあります。

今回は日本人に広く知られている日本の慣習の中で、ベトナム人が驚くことを7つ紹介したいと思います。

風邪をひいたときはマスクをつける

花粉の時期におびえる人も多いのでは

まず最初にご紹介するのは、「日本人は風邪をひいたらマスクをする習慣」。これはベトナム人にとっては奇妙にうつるとのこと。ちなみにベトナムではバイクの排気ガスがすごいので、バイクに乗っているときや歩道を歩いているときもマスクをする女性が多くいます。しかし、風邪をひいてマスクをするというのはあまり聞きません。日本人は「他人に風邪をうつしたくないから」、「くしゃみやせきでつばやウイルスが飛散するおそれがあるから」という理由でマスクをつけるかと思いますが、この理由をベトナム人に言うと、「さすが日本人。みんな教養が高い」と言ってくれます。相手のことを慮る行動というのは、ベトナム人にはまだ足りていない部分のようですね。

食卓に並ぶ料理の種類

純和食

日本では昔から理想な健康生活の中で、一汁三菜の食事がいいと言われてきました。これはご飯、味噌汁、主菜1品、副菜2品の計5品を意味します。多くの家庭でも、主婦の方は少なからず意識して献立を考えるのではないでしょうか。しかし、ベトナム人の家庭の食卓に上がる献立を見てみると、ご飯にスープ、そして主菜のみというのが多いです。また、日本ではそれぞれ小皿や器に一人分が分けられますが、ベトナムではスープ、主菜、副菜は大きな器に盛られて、それを勝手に食べます。ですので好きなものしか食べい偏った食生活も見られます。写真上のような献立をベトナム人に見せると、「高級レストラン見たい」といった声が相次ぎ聞こえてきます。

「いただきます」と「ごちそうさま」

宗教によっては異なる場合もあるだろう

普段何気なくとっている「いただきます」、そして「ごちそうさま」という行為。手を合わせるだけの人もいれば、箸を親指と人差し指に挟んで言う人もいますね。本来は食材となった動物や植物たちへの感謝の気持ちを表すものらしいですが、現在ではあまり深く考えないで、無意識に所作している人がほとんどですね。

この行為はもちろん日本ならでは。日本人旅行者も無意識にベトナムのレストランでこの振る舞いをやると、ベトナム人は「日本の仏教か」と驚いた様子で訊いてきます。ちなみに、ベトナムではいただきますもごちそうさまもなく、何も言わずに勝手に食べて、何もいわずに箸をおいておしまいです。食材への感謝はもちろんですが、作り手への感謝の気持ちも大切にしたいですね。

どこのお店に行ってもチップが不要

チップの習慣がない国は世界では珍しい

例えばアメリカやフランスではチップは料金の10~20%程度が相場とされています。ベトナムでもチップの習慣はあり、料金から計算するのではなく、サービスや利用した商業施設によってだいたいの相場が決められています。しかし、日本ではどんな良質なサービスを受けても、それは料金にすべて含まれているとみなされてチップを改めてわたす必要はありません。これはベトナム人からみると、とても驚きのようです。ベトナムではチップの比率が高く、ビアクラブでは30~40万ドンの食事をして10万ドンのチップ、30万ドンのスパを受けて5~10万ドンのチップを渡します。従業員の給料は低く、チップで稼がなければならないためです。ですので、「日本人のお店の人はチップなしで生活できるの?」といらぬ心配をしてくれます。

電話に謝罪

これも日本独特のお辞儀文化の一つ

これは日本に来た外国人がみんな口をそろえて言いますね。電話をしている日本人が突然「ごめんなさい」と頭を下げる。「相手はその場にいないのに、受話器に謝っているの?」と不思議がられますが、これは完全な無意識。確かにそういわれると、ちょっと滑稽ですね。ちなみベトナムでは基本的にお辞儀をすることはありませんが、目上の方に対しては小さく頭を下げることがあります。しかし、深々とお辞儀をしたり、小刻みに何度も頭を下げることはありませんので、やはり彼らからしてみても、日本人の「電話に謝罪」はひどく不思議に映っているようです。

亭主関白

ベトナムと日本の大きな違いの一つかもしれない

近年の現代社会では、亭主関白という言葉は大分廃れてきましたね。しかし、まだまだ威厳のある父親に憧れる人や、自分の父親が厳格だ、という人もいるかと思います。これもベトナム人にとっては、非常に珍しい日本の習慣です。ベトナムでは田舎の農村意外の都心では、基本は女性が一家の大黒柱となります。ですので、子供にとって怖いのはお父さんではなく、いつだってお母さんです。逆にお父さんは寡黙で偉そうにしない家庭がほとんど。日本の亭主関白の意味を説明すると、ベトナム人の女性はとても憤慨することでしょう。

おじいちゃんとおばあちゃんがとても優しい

いつだって味方になってくれるおじいちゃんとおばあちゃん

日本ではおじいちゃん、おばあちゃんと言えば、お年玉をたくさんくれたり、両親に怒られたときの逃げ場所ではなかったでしょうか。しかし、ベトナムでは特におばあちゃんは怖い存在。お母さんと一緒に孫の教育に対してとても熱心です。また、祖父母を持たないベトナム人の若者も多く見受けられます。これはベトナム戦争で亡くなってしまったため。ですので、日本の元気でやさしいおじいちゃんとおばあちゃんと接すると、「神様みたいな優しい人」、「こんなおじいちゃんとおばあちゃんが欲しかった」と涙を流してつぶやいてくれます。

ベトナムと日本の文化の違いはなぜこうまで大きい?

同じアジアで、同じ中国文化圏の日本とベトナムですが、なぜこうも文化や慣習の違いが大きいのでしょうか。日本は島国であり、外部文化の流入が少なかったことが挙げられるかもしれません。中国とは交易を通じて多数の文化が入ってきましたが、江戸時代には鎖国をして外国を排除し、その後明治時代では文明開化として西洋の文化をミックスしてきました。ベトナムにはそのような歴史がないので、その時分から決定的な文化や習慣に違いが生まれてきたのだと考えられます。ちなみに、「ベトナムは中国の子供」といわれることもあり、ベトナム人の習慣や生活風景、考え方は非常に中国人に似通っています。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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