19世紀から20世紀半ばまで、ベトナムは「フランス領インドシナ」と呼ばれていました。フランスによる植民地時代です。フランス人が遺していった功罪はさまざま。建築技術、処刑方法、言語、習慣、そして料理。
ホーチミンにはフランス料理店がいくつもあり、その多くはフランス人、もしくはフランス系ベトナム人がオーナーです。今回おすすめするフレンチレストランは、「味」、「雰囲気」、「値段」にこだわったおすすめ店。旅行者が行って必ず満足するレストランを厳選して5つ紹介します。
1、西洋の町タオディエン地区なら「トロアグルマン」が一押し
2区のタオディエン地区は在住欧米人が多く暮らす一角。コロニアル建築や白亜の邸宅、広い敷地を持つヴィラなど、西洋の町並みが広がるお洒落な町です。その一角に建つトロアグルマンは、フランス人はもとより在住欧米人が多く訪れる人気のフレンチレストラン。
プール付きのヴィラをレストランに改築し、緑の芝生広がる優雅なテーブル席や屋内の気品ある席など、そのときの状況に応じて選ぶことができます。
経営するのは本場のフランスで実際にレストランを経営していた経験を持つオーナー。スタンダードなフランス料理から、ベトナム料理のテイストを加えた創作料理までメニューは幅広く、思い切ってコースを注文しても予算は一人当たり5000円程度。
トリップアドバイザーなどで高い口コミを受けているほか、フランス人からも評価が高い本格的なレストランとなります。しかし、忘れてはならないのが、ここがベトナムであること。ドレスコードなしのラフな格好で気軽に行くことができるのも魅力の一つです。
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名称:トロアグルマン(Trois Gourmands)
住所:39 Tran Ngoc Dien St. Dist.2
営業時間:11:30〜14:00、18:30〜23:00
2、フォアグラにプレス肉、高級フレンチ「デリス」
ハイバーチュンの大通りから一本道を抜けた74番地には、外国人経営の高級レストランが複数軒並び立つ旅行者人気のエリア。その一角に営業しているデリスは、香港人オーナーが経営する高級フレンチレストラン。広いワンフロアには、ゆとりある間隔でテーブルが配置され、バーカウンターやソファ席も完備。ワインを飲みに来る常連客も多いようです。
ここで食べられる料理は、ザ・フランス料理と呼ばれるもの。特に鴨肉を食材に使った料理が定評があり、フォアグラはポルトワインや5種のスパイスで焼き上げた絶品の味。また、フランスの田舎に伝わる伝統的な調理法を用いたプレスダックは、シェフが客のテーブル席の前で調理してくれます。
予算は一人当たり5000円から。できれば上記紹介した2つの料理は注文してほしいところ。この2品だけを食べにくるだけでもその価値はあります。
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名称:デリス(Delices)
住所:74/7D Hai Ba Trung St. Dist.1
営業時間:10:00~23:00
3、学校の中のガーデンレストラン。「ル・ジャルダン」
タイバンルン通りのフランス語学校は、在住フランス人やフランス語を勉強するベトナム人が通う場所。その敷地内に営業しているのが、ル・ジャルダンというフランス料理レストラン。市民劇場から徒歩10分ほどで行ける距離です。学校内にあるので、多少見落としがちなので注意が必要。
ル・ジャルダンは屋内席とオープンエア席双方ありますが、旅行者にとってはガーデンレストランとして知名度があります。御覧のように緑に覆われたキャンパス内にあり、屋根付きなので日中でもそれほど暑くありません。見た目通りかなりカジュアルな雰囲気ですが、味はどの料理も確かです。
料理は基本アラカルトで、サラダ、スープ、メインはパスタ系が人気。いずれも一品500円前後というリーズナブルな価格がうりで、ランチの時間帯は授業を終えたベトナム人や外国人でいつも賑わっています。ディナーも営業していますが、木漏れ日の下で食べるランチがおすすめです。
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名称:ル・ジャルダン(Le Jardin)
住所:31 Thai Van Lung St. Dist.1
営業時間:11:00~14:00、18:00~22:00
4、フランス人が腕を奮う料理がこの値段!「ティーコズサイゴン」
縦長の一軒家をレストランに改築したこちらは、フランス人とベトナム人夫妻が経営するアットホームなレストラン。屋内席は日本好きのフランス人オーナーが飾った富士山の絵など、温かみある雰囲気がほっとさせてくれます。屋上にもテーブル席があり、こちらはディナー時のみ開放され、キャンドルに火が灯るロマンティックなムード。
写真上のこちらは、ティーコズサイゴンの名物。オーナーもしくは夫人がブラックボードを用いて料理を一品一品紹介してくれます。英語による説明ですが、食材の単語は日本語で言ってくれるときもあるので、おぼろげながらも料理のイメージはできます。
料理は毎日シェフであるオーナーの弟さんが目利きで食材を選びます。だからメニューは日替わり。仕入れる食材はその都度変わり、料理も創作工夫を重ねたものばかり。ただし、不必要に調味料は使わず、できるだけ新鮮な食材の味わいを堪能してもらいたいというこだわりも見え隠れします。
予算はフレンチレストランとは思えない2000円という安さ。ホーチミン在住の奥様方も気軽にランチに訪れる人気のレストランです。場所は観光の中心を通るパスター通りの一角なので、旅行者も散策がてら立ち寄れる立地です。
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名称:ティーコズサイゴン(Ty Coz Saigon)
住所:178/4 Pasteur St. Dist.1
営業時間:11:00~13:30、18:00~21:30
5、口コミ評価が高いホームレストラン「コートダジュール」
フレンチレストラン「コートダジュール」は在住日本人から高評価を受けている人気店。御覧のようにテーブル席の間隔が狭いのは、この家が縦長一般住居を改装したから。アットホームというか、知り合いの家にランチに招かれたような雰囲気。しかし、スーツで身を固めたスタッフたちは接客対応よく、多少なりとも格式を上げる演出をしているのもいい感じ。
来店するおすすめの時間帯はお昼。2500円程度の予算で楽しめるランチコースが絶大な人気を誇ります。メインとなる料理は肉もしくは魚から選ぶことができるので、2人で行く場合は両方頼んでシェアするといいでしょう。肉はミディアムレアがおすすめ。ナイフがすっと入り込みます。
オーナーはフランスで修行を積んだフランス系ベトナム人。味にこだわりを持つシェフが経営しているから、おいしいフレンチをリーズナブルに堪能できます。ランチの時間帯は込み合うので、予約が確実です。
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名称:コートダジュール(Cote d Azur)
住所:12T3 Nguyen Thi Minh khai St.Dist.1
営業時間:11:00~13:30、18:30~21:30
フランス料理もベトナム旅行の重要な要素
「ベトナムに来てなぜフランス料理?」と考える方もいるかもしれません。上述したように、ベトナムとフランスは古くから深い結びつきがあります。古き良きインドシナ時代を現代に蘇らせるフランス料理店で、絶品フレンチに舌鼓を打つ。そんなグルメ旅行もホーチミン観光の醍醐味です。是非滞在中一度はフレンチレストランを体験していってください。