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最後の晩餐は高級フレンチで。「デリス・ビストロ」

ベトナムは19世紀後半からフランス領インドシナの時代を迎えます。約100年間フランスに統治されるベトナムですが、その間にはさまざまなフランスの文化が入ってきます。その代表が料理。現在でもベトナム人が朝食に食べているバインミーと呼ばれるサンドウィッチはフランス由来。

このように、フランス文化がすっかりと民間に浸透しているベトナムでは、町のいたるところにフランス料理レストランがあります。今回紹介する「デリス」は、最上級のフレンチを楽しめる高級レストランとして、旅行者や在住外国人に支持されています。「ベトナムに来たんだからベトナム料理しか食べない」とお考えの方も、「インドシナ時代の産物」としてフレンチを堪能していってください。

日本で食べるよりずっとリーズナブル

ひとつひとつ食材にこだわっているのが見てわかる

今回紹介するデリスは、ベトナムでは高級店としての位置づけ。ただし、予算はお一人3000円程度から。もちろんフレンチの代表料理であるフォアグラもメニューにあります。日本でこのクラスのレストランに足を運べば、ゆうに1万円はするのでは、という料理と雰囲気が揃っています。そんな高級フレンチをリーズナブルな価格で楽しめるのも、ベトナム旅行の魅力の一つです。

アクセス

レストランは建物の階段を上がった上階にある

場所はハイバーチュン(Hai Ba Trung)通りの74番地。大通りから一本道に曲がった先にあります。このエリアには多国籍レストランが6、7軒並んでいて、いずれも高級店を謳っています。その一角には「ケージ(Cage)」というタパスのお店がありますので、そのお店の奥を進んで階段を上がった先にあります。

入口正面に広がる窓際のテーブル席は、昼間は遮光がさす心地よい空間。真っ白な皴一つないテーブルクロスが敷かれています。昼間はお客の数は少なく、メインはやはりディナータイム。ただし、静かに自分たちだけの時間を楽しみたいという方は、あえてランチの時間帯に行くのもいいでしょう。

雰囲気を求めるならディナーが一番

雰囲気重視であれば、やはりディナーが一押し。各テーブル席にはキャンドルが灯り、ワイングラスがさらに高級感を演出してくれています。

広々とした空間で最高のディナーを味わう

ベトナムにいることをつい忘れてしまいそう

写真上がメインエリア。左側はカウンターになっていて、おひとり様よう。食事をとるよりは、ボトルを入れて一人でまったりとお酒に酔う姿が似合いそうです。中央にはテーブル席が5つ。二人掛けの席が4つと4人掛けの席が1つあります。さらに右側にはソファ席が2つ完備。

ここでゆっくりと大人の時間に浸ることができる

こちらは比較的大人数収容可能。ただし、テーブルは脚が低いので、ドリンクやスイーツをメインに談笑に耽るのがおすすめです。ディナーは別のお店で済まし、そのあとに足を運んだときは、こちらの席を選ぶといいかもしれませんね。

ちなみに、このデリスのオーナーは、同じくドンコイエリア界隈にある高級レストラン「テンプルクラブ」も経営しています。ベトカン王でも、かつてブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー元夫妻が来店したお店として紹介しました。高級店だけが演じることができるホスピタリティをよく熟知しているオーナーであることが、デリスをみてもよくわかります。

デリスのスペシャルメニューである「Pressed Duck」をオーダー

準備から盛り付けまで30分くらいの時間を要する

料理はすべてフランス料理に統一。フランス料理の定番どころから、郷土料理まで扱っています。もともと料理長はフランス人でミシュランの星つきレストランで働いていた凄腕。現在もここで働くシェフ全員にその技術は引き継がれています。

こちらの料理はデリスがおすすめする。「Pressed Duck」。日本語名は「ルーアン風鴨肉のプレス」です。鴨一羽を丸ごと素材に使ったフランスの郷土料理で、2~4人で召し上がってください。

この料理をオーダーすると、シェフが直々にテーブルサイドで調理をしてくれます。これも演出の一つ。

鴨の血液をスープに

調理に使う器具は、フランスからの直輸入。ベトナムでこの器具を使った鴨料理を出す店はここだけです。鴨のプレス肉とは、「鴨の窒息肉」とも言われています。通常は鴨を殺してから保存しますが、窒息肉は鴨の首を折って仮死状態のまま保存。そのため調理する直前まで鴨の体全体に血液が巡っているため、風味を残すことができます。

鴨肉をスライスしたあとは、残りの骨を専用の器具に入れて、プレスし、血液のみを取り出します。鉄分と風味を豊富に含んだこの血液をベースにワインソースを作るのが、この料理の最大の特徴となります。

肉の盛り付けからソースかけまですべてシェフがやってくれる

ソースは鴨肉の血液、レッドワイン、コニャックを煮て作ります。鴨肉は焼き加減も当然選べますが、フランス人の多くはレアを選ぶようなので、みなさんもレア、もしくはミディアムレアをチョイスしてみてください。

2~4人前で125万ドン

自慢のソースは不思議と血(鉄)特有の匂いがありません。鴨肉は非常にジューシーで、ビーフステーキとはまた違う触感と風味を楽しめます。ご存知の方も多いかと思いますが、鴨はフランス料理には欠かせない定番の食材。高級食材であるフォアグラも、ガチョウよりもアヒル肉を使う店も多いそうです。デリスもフォアグラは鴨を使用。39万5000ドンと日本円に換算して2000円程度で食べられるから驚きです。

日本語メニューもある嬉しさ。滞在最終日に訪れたい

デリスでは日本人客も多いことから、日本語メニューも用意しています。通常のフレンチレストランでは、フランス語と英語で長い料理名が書かれていることが多く、なかなか料理のイメージがつきませんね。その点日本語表記があれば、少なくとも大きな想定していた料理との大きなギャップはないかと思います。

ベトナム旅行最終日のディナーを飾るにふさわしいレストランをお探しの旅行者は、デリスを選んでみてはいかがでしょうか。

<DATA>

名称:デリス(Delices)
住所:74/7D Hai Ba Trung St. Dist.1
営業時間:10:00~23:00

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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