ホーチミン旅行者の目当ての一つでもあるメコンツアー。メコン川は中国を源流にラオスやカンボジアと複数の国を跨ぐ国際河川です。そのメコン川の支流が流れているメコンデルタ地方は、旅行者にとっては普段体験できない雄大な自然を享受できるオアシス的エリア。
近年はメコンデルタ地方へ個人、もしくはカスタムメイドのツアーで行く旅行者が増えてきているようです。そこで、今回はメコンデルタ旅行で押さえておきたい料理をご紹介します。メコンデルタ地方は18世紀まではカンボジア領だったため、そこで発達した食文化は、他のベトナム各地では見られないものもあります。是非ここで紹介している料理を一つでも多く制覇してみてください。
最も身近なメコン料理は「フーティウ・ミトー」
一度乾燥させてから茹でるため、フォーと同じ米粉由来でもコシがあるのが特徴。「北部がフォーなら南部はフーティウ」と言われるように、現在ではメコンデルタにとどまらず南部を象徴する名物料理になっています。しかし、このフーティウはもともとカンボジア料理のクイティウが起源と言われています(定かではありませんが)。
また、メコンデルタの玄関口である都市ミトーで食べられるフーティウは、独特のもっちりとした食感が特徴。この麺はベトナム人の間ではメコンデルタ旅行のお土産として定番。ミトーやカントーといった都市ではお土産用に売っています。ホーチミン市内でもフーティウ・ミトーという料理名でメニューに載っていますので、普通のフーティウと食べ比べしてみてください。
もっちり「ライスペーパー」
一般的にスーパーなどで買えるライスペーパーは乾燥したものですね。これは水に浸すと柔らかくなりますので、野菜を包んで生春巻きなどとして食べることができます。しかし、一番おいしいのはいつだって作り立てです。溶いた米粉を鉄板に広げてクレープのように円形の生地を作ります。数分すると生地が固まるので、綺麗にすくえば完成。
市販のライスペーパーを見てみると、網の目模様があるかと思いますが、その正体はこのように日干しさせるときにつく跡のようです。是非食べてほしいのは、日干しさせる前。つまり生地ができあがった直後です。もっちりとしていて、そのまま食べてもいいですし、ヌクトゥンに付けてもおいしいです。メコンデルタ地方の都市部のレストランや食堂では、自前でライスペーパーを作っている店も多いので、そこで食べられるほか、観光地では旅行者向けに販売をしているところもあります。
メコンデルタの真髄を堪能。「マム」料理
「ブン・マム」、「ラウ・マム」、「マム・カー」などは、どれもマムとよばれる魚を発酵させた調味料を素材にしています。一見すると泥のように濁り色ですが、ほんのりと甘く、塩辛く、日本にはない新しい味を体験することができます。
メコンデルタ地方の中心都市であるカントーから奥部にかけてマムを扱う店は多くみかけ、ブンマムは屋台料理としても親しまれています。ホーチミン市内でも食べることはできますが、取り扱っている店は他の料理に比べて圧倒的に少ないほか、材料費がかかるためか味が薄くおいしいとは言えません。本場の濃厚のマムの味を体験してほしいので、是非メコン旅行では必ず一度は食べておいてください。
これもメコンデルタで人気「ローヤルゼリー」
メコンデルタはあまり知られていませんが、高純度のハチミツであるローヤルゼリーの生産拠点が点在しています。ローヤルゼリーは健康ブームの日本でも度々注目されていますね。高い栄養価を持つローヤルゼリーは、女王蜂しか食べることを許されていなく、ローヤルゼリーを毎日食べている女王蜂は、ほかの働き蜂と比べて40倍以上寿命が違うとも言われています。
簡単に買う方法はツアーに参加する方法です。ジャングルクルーズのメコンツアーに参加すると、たいていココナッツキャンディー工場と併せてこちらも体験することができます。値段は少し高めですが、日本で買うよりかはかなり安いことに変わりありません。
ツアーに出てくる定番メコン料理「エレファントイヤーフィッシュ」
メコン料理の王道といえばこちらの「象耳魚(エレファントイヤーフィッシュ)」。メコン川に住む淡水魚で、調理方法は鱗がついたまま素揚げするという、シンプルなもの。鱗はぱりぱりと香ばしく、白身はふんわりとジューシー。このまま食べてもいいですが、ライスペーパーに野菜といっしょに包んで食べるのが一般的です。
ホーチミン市内でも一部のシーフードレストランで取り扱っていて、食べ方は同じ。しかし、いつも仕入れているとは限りませんので、確実に食べておきたいと考えている方は、メコンデルタ地方現地で食べるのがおすすめです。メコンツアーでも大抵昼食にこれが出てきます。
メコンデルタ料理は現地で食べるのが一番おいしい
最近ではベトナム各地の郷土料理も、ホーチミンやハノイといった都市部では比較的食べられるようになりました。しかし、メコンデルタ料理は現地で食べるに限ります。ホーチミン旅行者にとっては足を運びやすいですし、ツアーもたくさん催行していますので、難易度はそこまで高くないはずです。ここで挙げた料理を一つでも多く食べていってください。