ベトナムの中部ホイアンは、1999年にユネスコ世界遺産に登録された古き良き町並みが特徴の観光エリアです。今回紹介するのは、そのホイアン市街地において、毎月開催される「ランタン祭り」。日本人ならふと懐かしいと感じる、昭和初期のあの時代の香りが漂う悠久の町並みを満喫することができます。
アクセス
ランタン祭りが開催されるのは、世界遺産に登録されている、ホイアン歴史保護地区です。レロイ通り、チャンフー通り、グエンタイホック通り、バクダン通り界隈となります。
日時は毎月14日ですが、これは旧暦の数え方となりますので、毎月日付が変わります。時間は夜の帳がおりてから。18時頃から、店は電球や蛍光灯の代わりに、ランタンを付けます。職員と思われるスタッフが店を回って、電球がついている店を注意している様子もうかがえます。人工的な明かりはすべて消えて、ランタンの柔らかい明かりだけが町を照らすその光景は、本当に幻想的で、形容しがたいものがあります。
歴史保護地区を歩く
ホイアンには冷房が効いているようなお店はほとんどありませんので、日中の暑い時間はゆっくりと買い物に精を出すことができません。その点、夜は気温が下がりますので、この時間にお土産探しをするのもおすすめです。また、逆に肌寒く感じることもあるので、薄い長そでやストールを一枚羽織って町に出るのがいいでしょう。
露店に灯る小さな明かり
ホイアン市街地には、屋台やゴザを広げただけの露店も多数出没しています。昼間も多いのですが、夜の町角は特に露店で賑わいます。普段は露店はどこからか電気を引いて蛍光灯や裸電球を吊るしているのですが、この日だけは彼らもランタン祭りの雰囲気演出に一役買ってくれて、蝋燭やランタンで明かりを灯しています。
こちらはチェーの屋台。頭上にいくつかのランタンで明かりを落とし、一帯明るくしています。脚の低いイスに座って、チェーを食べることができます。他にも食べ物ではショウガ汁を垂らした湯豆腐や、トウモロコシなどが人気。一杯100円程度で食べられるので、食べ歩きもしたいところです。
トゥボン川沿いで屋台祭り
ベトナム情緒を感じつつ、しっかりと食事をしたいのであれば、バクダン通りを抜けた先の屋台街に行ってください。レストランで食事するのも洒落ていいのですが、薄暗い中、かつて交易で栄えたトゥボン川を眺めながらとる屋台飯も格別です。
ここでは、ホイアン名物のカオラウをはじめ、米粉の麺料理や串焼き料理を食べることができます。この屋台街自体は毎晩開催されていますが、ランタン祭りは非常に多くの人で混み合いますので、席の確保が大変かもしれません。また、こちらから声を上げて従業員を呼びとめて注文しないと、いつまでも注文を取りに来なかったり、忘れられてしまいますので心してください。
名物灯篭流しを体験
ランタン祭りのもう一つの楽しみが灯篭流し。日本でも灯篭流しはありますが、ここホイアンでも習慣の一つとしてあります。いつごろからはじまった習慣か、また起源のほどもよく分かっていませんが、紙をたたんで箱を作り、そこに蝋燭を立てて火を灯せば完成です。一個1万ドンと安いです。
灯篭流しが行われる場所はトゥボン川。灯篭を買うと、長い竿を渡されますので、その先に灯篭を置きます。あとは灯篭を流すポイントを決めて、竿を下に沈めるだけ。真っ暗なトゥボン川に灯篭の淡い光が浮き流れ、時間がゆっくりと流れる景色を楽しんでください。
灯篭を売るのは大人よりも、少年少女の姿を多く見かけます。まだ10歳くらいの少女が灯篭を持って寄ってきたら、買わないわけにはいきませんね(汗)。ホイアンの文化センターでは子供が働くのを防止するよう活動していますが、実際は子供が灯篭を売るのは習慣のようにもなっています。
<DATA>
名称:ランタン祭り
住所:ホイアン歴史保護地区内
営業時間:夕方〜23:00頃まで