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観光客も楽しめる!ベトナムの旧正月(テト)の魅力に迫る!!

今年2016年のベトナムの旧正月は、2月の7日を大晦日に迎え、8日の元旦から14日まで続きました。特に14日はちょうどバレンタインデーも重なったので、こ洒落たレストランやバーはどこも満員御礼でした。今回紹介するのは、ベトナムで毎年恒例のフラワーロード。特に今年はホーチミン市のフラワーロードにスポットを当ててご紹介したいと思います。新暦1月1日で祝う日本人にとってはしっくりこないかと思いますが、ベトナムでは現在が「ハッピーニューイヤー」です!

ベトナムの旧正月(テト)とは

ベトナムではお正月のことをテトと呼びます。旧暦でお祝いするので、毎年テトの日は異なりますがおよそ2月の中旬頃です。テトは一年でもっとも重要な祝祭日で合計5日ほどの期間が休みとなることが多いです。です。ベトナムでは、国が定めている公的な祝日が10日間しかないため、この期間中は公的機関やお店などの多くが休業となり、家族や親族でお祝いをするために帰省ラッシュで交通機関も混み合います。しかしながら、観光客向けのお店は普段通り営業していることも多く、毎年多くの旅行者がベトナムに訪れ、テトの期間ならではの、街中が豪華な飾り付けや賑やかな催しなど、普段とは違うベトナムを楽しみます。

旧正月(テト)で行う行事とベトナム人の正月の過ごし方

カラフルなアオザイをこの時期はよく見かける

旧暦の大晦日

大晦日から元旦に変わる深夜0時からは花火が打ち上げられます。15分間の花火ですが、こぞって人が集まるので街は渋滞になります。バイクが溢れて身動きが取れないということも。ベトナム中がカウントダウンを楽しむ瞬間です。

旧暦の元旦

外では太鼓や銅鑼の音が鳴り響き、少年たちによる「ムアラン(麒麟舞)」という恒例行事もあります。黄色い衣装の少年たちが楽器を鳴らしながら民家を回り一年の幸せを祈願するというものです。街では毎年恒例のフラワーロードが開催され多くの人でにぎわい、屋台や露店などもありとにかく盛り上がっています。普段は車やバイクで混雑している道が、テト中は歩行者天国になり、通りは鮮やかな花で飾られています。

旧暦の2 日と3 日

家族との時間を大切に過ごし、親族やご近所さんを訪問します。ベトナムのテトでは、団体でお宅を訪ねて大勢でお祝いする習慣があります。お酒を飲み楽しく過ごしたら、またすぐに別の家を訪れます。

2016年の旧正月(テト)の様子

2016年のテトは2月8日。街は派手に飾り付けられ、恒例のフラワーロードは鮮やかに輝き、街はすっかりお祭りモード。屋台や露店が並び、あちこちで記念撮影をする人もいてとても賑わいました。ベトナムの人々は、テトをとても楽しみにしています。何日も前から準備をし、どこかそわそわしている様子。一年の幸せを祈り、盛り上がったテトの様子をご紹介します。

毎年恒例のフラワーロード

ホーチミンのグエンフエ通り

フラワーロードは北部ハノイ、中部ダナン、南部ホーチミンで開催されます。ちなみに前日には打ち上げ花火が同じく主要都市で上げられるのが恒例ですが、地方自治体が予算をとるので、都市によっては予算がとれなく花火を見送る年もあります。ちなみに、ベトナムで一般人の花火は禁止されていますので、どこのスーパーに行っても花火を置いているお店はありません。

ホーチミンのフラワーロードは毎年ドンコイ通りと並行して走るグエンフエ通りで開催されていました。しかし、2015年はグエンフエ通りは改修工事をしていたので、近くのハムギー通りで開催。そのせいか、盛り上がりにいまいち欠けていた印象でした。しかし、今年は改修工事も終わり、綺麗に生まれ変わったグエンフエ通りにフラワーロードが戻ってきたこともあり、連日大盛況でした。今回はその模様をお伝えします。

一本道に続く花道

グエンフエ通りと人民委員会庁舎

フレンチコロニアルが美観の人民委員会庁舎。こちらがグエンフエ通りの始発地点。そこからユニオンスクエアや5つ星のレックスホテルなどを横目に、サイゴン川まで直線の道路が続きます。改修工事後は中央の遊歩道が非常に広く整備され、また夜になると両脇の道路も車両禁止。旧正月期間は、全面完全歩行者天国となっていました。

グエンフエ通りはドンコイ通りと並ぶ旅行者にとってのメインストリートで、4つ星ホテルや多国籍レストラン、オープンカフェが並ぶ、プチパリとベトナムらしさが調和した通りとなっています。今年はその通り全体がフラワーロードとなりました。

一流シェフの自信作

レックスホテルは5つ星の国営ホテル

こちらは毎年フラワーロードで恒例のフードアート。高級ホテルやレストランの一流シェフによる、食材を使ったアートは、どれも息を呑む芸術です。毎年このフードアートに力を入れているのが、5つ星のレックスホテル。今年も見事な芸術品を提供してくれました。

記念撮影も欠かせない

自撮り棒もすっかり定着

とにかく写真撮影好きのベトナム人。場所問わず写真撮影をしまくります。カラフルな花々を背景に記念撮影。通行の邪魔になろうがおかまいなしのベトナム人は、かなりたくましいです。また、自撮り棒もここで活躍。ステッキを延ばして、自分を撮影する光景をいたるところでみることができます。

最近は自撮り棒をベトナムで安く買って日本の土産にする人もいますが、購入するときは、自分のスマホ端末でブルートゥースが稼働するか確認してください。

ベトナムの伝統文化「書道」

いかにも中国らしい

ベトナムはフランス統治時代にフランス人がアルファベットによる現在のベトナム語文字を持ち込みましたが、それ以前は中国漢字文化圏でした。現在では漢字を書ける人はほとんどいませんが、文化の一端として「書道」が残されています。ただし、書道で書く字は漢字ではなくアルファベット。日本人からすると、かなり違和感があります。ただし、もともとベトナム語の字体は世界でも数少ない筆記体なので、書道でもその達筆さは健在です。

1枚15万ドンから40万ドンで書いてもらうことができ、文字の他風景画も入れることができます。ベトナム人の間では、流行の歌の歌詞をベトナム語、もしくは英語で入れるのがプチブームのようです。額付きだと多少高くなります。

特設展示会

旅行者にとっては見ごたえがあるはず

グエンフエ通りのフラワーロードでは、毎年写真による展示エリアが開催されます。今年はベトナムとサイゴン(南ベトナムの旧都市)の時代の移り変わりを写真比較にて展示。また、昨年はベトナム国内に暮らす53の少数民族を大々的に紹介していました。

ベトナムはドイモイ政策以降著しい経済発展を遂げましたが、まだまだここ十数年の出来事です。10年前の2006年は、まだまだ一人当たりのGDPは800ドル程度(年収)でした。東南アジアでも貧国の部類に入っていたベトナムは、ホーチミンとハノイを中心に短期間で新興国の仲間入りを果たしました。その目まぐるしいほどの発展を写真で比較したこのブースは、歴史に興味のない旅行者でもきっと楽しめることかと思います。

お馴染みのブックフェアも開催

子供や学生に人気

こちらもフラワーロードと併せて開催される恒例。ブックフェアは大手書店が協賛していて、通常よりも安い値段で本を購入することができます。本は漫画をはじめ、料理本、ビジネス本、学習参考書、小説まであらゆるジャンルが揃っています。日ごろ本を読まないベトナム人も、このときは勢い余って買うようす。子供たちに人気なのは「名探偵コナン」、「クレヨンしんちゃん」、「ドラえもん」、「NARUTO」。

当然ながらすべてベトナム語表記なので、記念に一冊買っていってみてはいかがでしょうか。

伝統衣装のアオザイも

やはりベトナムに来たら、これだけは見ておきたい

ベトナムの伝統衣装のアオザイ。ベトナムに来たら、一度は生で見ておきたいところ。日本でもお正月に着物を着る女性が多いように、ベトナムでも旧正月では伝統を重んじる多くの女性がアオザイを着ます。アオザイといえば白色をイメージしがちですが、実は非常に多彩な色があります。アオザイに三角の菅笠ノンラーのセットは、旅行者にとってはこれ以上にないTheベトナムの光景なのではないでしょうか。

番外編:大型ショッピングセンターでも開催

規模は小さいが、多くの人で賑わっている

こちらはホーチミン市7区のショッピングセンター「クレセントモール」敷地内。ここでもフラワーロードが開催されていました。規模は小さいですが、それでも多くの人で通りは埋め尽くされ、大変な賑わいでした。

日本では正月といえば、厳かに過ごすイメージですが、ベトナムの正月は非常に華やか。旧正月の日付は毎年変わりますので、来年は日付を見計らって、ベトナムの南国の正月を満喫してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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