世界遺産のホイアンは、古くは日本とも交易した港町でした。現在ではその古き良き町並みが世界遺産に登録されています。世界遺産といっても、ホイアンには多くのベトナム人と華僑の人々が暮らしていますので、当然場所によっては生活臭香る場所もあります。その一つが、今回紹介する「ホイアン市場」。世界遺産歴史保護地区内にあるローカル市場です。
アクセス
ホイアン市場はホイアンの目抜き通りであるチャンフー通りを西へ進んだところにある屋内市場です。奥行きのある市場はバクダン通り側から続いており、縦に走るチャンクイカップ通り沿いにも露店があふれ出ています。ここら一帯がすべてホイアン市場と呼べます。
また、もう少し西(徒歩で3分ほど)へ歩くと、歴史保護地区を抜けるので、宿泊施設もちらほら出てきます。この辺に宿をとると、ホイアン散策は非常に便利となります。
広大な奥行きを持つ屋内市場
ホイアン市場内は奥行きがあり、天井が高いので非常に開放感があります。ホーチミンの市場のように、隙間なくお店がひしめきあっているというわけではないので、落ち着いた雰囲気も感じられます。
写真上は食堂エリア。市場内で最も広いエリアで、多くの現地人がここで朝と昼の食事をとります。値段も現地価格ですし、ホイアン名物のカオラウももちろんどこでもあります。カオラウの麺を切りだしている現場も見学することができるでしょう。ただし、ご存知の通り衛生面が心配なので、ここで食事をとることはあまりおすすめしません。チェーやドリンク程度なら問題ないでしょう。
日用雑貨エリア
こちらは日用品エリア。食品はヌクマムやヌクトゥンといった調味料やインスタントコーヒー程度で、ほとんどは生活雑貨です。食器、鍋、線香などなど。ベトナム人が日ごろどんな日用品を購入しているのか、生活スタイルを垣間見ることができます。
ここで買い物をする人はほぼホイアンの現地人なので、ぼったくりもなければ売り子の掛け声もありません。市場にしては静かで、まるで大きな家でみんながシェアハウスをしているかのようにアットホームです。
生鮮エリア
生鮮食品エリアはほぼ肉類です。魚介はのちに紹介する魚市で購入することができます。ここでは主に牛肉と豚肉、鶏肉を扱っています。中華包丁でタンッタンッと小気味良い音を立てて骨を切る様子は、もはやベトナムのローカル市場の名物にもなっています。
購入は量り売りが基本。ベトナム人は大家族なので、鶏肉を買うときは一匹丸ごと買うのが基本です。ちなみにここで売っている牛肉はベトナム産ですが、それでも値段は高めです。
外は野菜と果物エリア
ホイアン市場の横側を通るチャンクイカップ通り沿いにも写真のようにお店がひしめきあっています。早朝がピークですが、昼過ぎまでやっているお店がほとんどなので、旅行者にとってはちょうどいい人込み。
注意ではないですが、この界隈にはアオザイにノンラーを被った、いかにもな若いベトナム人女性が座っていることがあります。外国人はよくこの女性に一緒に写真を撮ってくれるようお願いしますが、写真を撮ったら1ドル要求されます。いわゆる商売人ですね。ちょっと不愉快な気持ちになるかもしれませんのでご覚悟を。
早朝の魚市は必見!
バクダン通り沿いには毎朝5時頃から魚市が開かれます。チャンクイカップ通りでは開店の準備をしている様子がうかがえます。一帯は魚介の香りに包まれ、港町風情香ります。世界遺産でこのような素朴な生活風景をみられるのは非常に貴重。魚市の模様はガイドブックにも掲載されていないので、穴場スポットとして覚えておきましょう。
このトゥボン川は、毎年秋の時期には氾濫して町を冠水させる脅威を持っていますが、普段は穏やかなもの。人々の生活の拠り所となり、古くからホイアンとその民を支えてきたことが分かります。
レストランやカフェの従業員が仕入れに訪れるのもここ。あらゆる水揚げされた魚介が揃っています。魚をはじめ、貝、海老、タコ、イカ......。特に魚は大きなサイズが多く、ぶつ切りして売っています。日本だと三枚に卸したりもしてくれますが、ベトナムではそのような器用なことはしません。魚はフライパンで焼くか、煮込むことが多いので、骨もそのまま調理してしまいます。
日本では一部分を除いて廃れてしまった市場。ホイアンの市場はどこか懐かしい面影を日本人に残しています。