どこか懐かしさを感じるムイネーの港町。メインストリートのグエンディンチウ通りは、異国情緒漂うリゾートエリアでしたが、今回紹介するのは、ベトナムの海の町らしい景色が広がる「ヒュイントゥックカン(Huynh Thuc Khang)通り」です。
この通りを語らずしてムイネー旅行を満喫したとは言えません、それほど大切であり、筆者一押しの通りとなります。
アクセス
グエンディンチウ通りをひたすらイエローサデューン方面に進むと、そのままこのヒュイントゥックカン通りに繋がります。ムイネー旅行では、バイクをレンタルするか、タクシーを利用するかの二択となります。筆者のおすすめはバイクで海風を切って走る方法ですが、時々交通警察がネズミ捕りをしています。捕まったら賄賂を要求してきますので、ちょっと厄介。不安な方はタクシーを利用しましょう。
グエンディンチウ通りはツアーデスクやマッサージ店、レストランやショップ、ホテルが軒を連ねる通りですが、徐々に海が開けてきたら、そこはもうヒュイントゥックカン通りとなります。
無数の停泊している漁船の光景は圧巻
写真上の光景はムイネー旅行の象徴として、よく旅行雑誌やウェブサイトにもとりあげられています。水平線の彼方まで続く漁船の群れ。昼時は停泊していて、次の航海の準備や休憩をしている漁師の姿をうかがうことができます。
現地人にとってもここはデートスポットとして人気があり、日が落ちるサンセットの時間は、多くの観光客や地元民の若者で賑わいます。
そして、砂浜に注目。テントが張ってあって、大きなお椀が並んでありますが、これはいったい......、さっそく行ってみたいと思います。
いったいなにに群がっているのかというと、ここでは小さな魚市が開かれています。早朝に獲った魚や海老、貝にイカなどを一般のお客に売っています。余ったら近くの食堂や市場に卸すこともあるようですが、そんな日は滅多になく、毎日完売御礼だとか。
たらいに泳いでいる魚介はロブスターや泥カニ、牡蠣などの貝に魚、タコ、イカと種類は豊富。水揚げされたばかりの早朝に顔を出すと、さらに種類は多いらしいです。ただし、早朝の時間は地元民が多く押し寄せるので、言葉の通じない外国人客は相手にされなこともあります。昼前あたりになると、客は旅行客のみなので、ゆっくりと吟味することができます。
こちらで買った魚介はどうするか、ですが、方法は2つ。1つはここで調理してもらい、食べることができます。もう1つは、通り沿いにあるシーフード食堂に持ち込んで調理してもらう方法です。前者は無料でやってくれますが、日陰を作るテントは一つ二つしかないほか、日差しはかなり厳しいです。後者は店によっては数万ドン調理代で撮られることがあります(店の料理も追加注文すれば、無料でやってくれることもあります)が、落ち着いて食事をとることができます。
傍では魚を天日干ししている光景も。国は違えど、この一コマだけを見ていると、日本の田舎の港町だと勘違いしてしまいそうです。そんな昔ながらの素朴な光景をいたるところでみることができます。しかし、ここは遠く離れたベトナム。東南アジアらしい素朴な日常とその時間に心癒されることでしょう。
一寸法師になってみる
この大きなお椀は......船?
実は、このお椀に乗って一寸法師の体験をすることもできます。持ち主を見つけて交渉しなければなりませんが、もし辺りを見渡してそれらしき人がいなかったら、さっきの魚市を開いているおばちゃんたちにお願いして呼んでもらうのも手。
見ての通り、お椀は海が波打つたびに大きく左右に揺れ、体でバランスをとるのが大変です。足場も悪く、水が入っていて少々不安を覚えます。転覆する可能性も、波に揉まれて海に放り出される可能性だってあります。ひっくり返らない安全保証がないアトラクションがこれほど怖いとは知りませんでした。ベトナムクオリティは本当に恐ろしいです(笑)
ここでメジャーなの漁業は網魚。昼のこの時間は、網の手入れをしている漁師たちをよく見かけます。また、大型の漁船にこのお椀船を乗せる光景も。意外と実用的な船なんですね。
海の見える海鮮食堂で海の幸を堪能
写真上のような、海のすぐわきにテーブルチェアを置いている食堂が、この道の通り沿いにはいくらでもあります。値段はお店によって若干異なり、貝が安いお店、海老が安いお店などがあります。何軒か回って値段を訊いてみるのがよさそうです。ただし、量り売りだということは覚えておきましょう。
ロブスターはキロ30万ドン〜80万ドンの間で取引されています。意外と高いですが、1キロ買えば2尾くらい食べられるでしょう。また、牡蠣は生食か焼くかを訊いてきますので、正直食堂の生食は怖いので、よほど胃に自信がある方以外は、焼いてもらうようにしてください。
食堂は夜遅くまで営業しています。夜は潮風が強いくらい。海沿いの席で夜の海を眺めながらとる食事は格別。漏れなくリゾート気分に浸らせてくれます。ムイネーは同じくビーチリゾートである中南部ニャチャンと比べると、高級感はありません。しかし、ベトナムの港町を歩き、新鮮な魚介を堪能し、そしてリゾートホテルに戻る。そんなゆっくり流れる時間を満喫できるのがムイネーの魅力。そして、その魅力にひと役買ってくれるのが、このヒュイントゥックカン通りとなります。