ベトナム旅行で在住者が漏れなくおすすめするのが「路地裏探索」です。ベトナムには「ヘム」と呼ばれる路地がいたるところにあります。ベトナム在住歴が長い日本人でも、いつだってベトナムの路地には魅力を感じ、ふらっと入ってみるものです。もしかしたら、その先には誰も知らない新たな発見が眠っているかもしれませんね。
今回紹介するのは、ホーチミンの中心にある旅行者も気軽に立ち入れる初級者用の路地。とはいってもローカル色満載なので、是非実際その足で歩いてみてください。もしかしたら、筆者も知らない秘密に出会えるかもしれません。
アクセス
レロイ(Le Loi)通りはドンコイ通りとベンタイン市場を繋ぐ大通り。2016年1月現在は地下鉄工事中のため、ドンコイ通りからアクセスはできません。今回紹介するのは、このレロイ通りの36番地にある路地。頭上を仰ぐと、「TAKA PLAZA」という黒い看板があるので、こちらを目印に見つけてください。
路地に潜入開始!
レロイ通りの喧騒とはまた違ったざわめきが奥の方から聞こえてきます。狭い路地をけたたましくバイクが走ったり、壁にへばりつくように設置されているテーブルチェアで、チェーを頬張る女の子たちなどがいつもの光景。
発見1つ目はパパママストア
まず発見したのは、パパママストア。一回使い切りのシャンプーやスナック菓子、パン、ココナッツ、ティッシュボックス、たばこ、キャンディー、ドリンクなどあらゆる生活雑貨が所狭しと並んでいます。まるでカオスのようなレイアウトは、旅行者にとっては探し甲斐があるかもしれません。
ベトナムではコンビニやスーパーが普及しはじめたのは、ここ数年の話。現在でもこういった路地先では、必ずパパママストアが幅を利かせています。ちなみに、ベトナム語で「タップホア」と呼びますが、店名はないところがほとんどです。昔ながらの駄菓子屋、たばこ屋といった雰囲気ですね。
現地人が集う服飾スーパー「タカプラザ」
奥に行くと、タカプラザの入口が見えてきます。ナムキーコイキア通り方面からも入口があります。こちらはアパレルプラザ。中は市場のように数十の店が小さなブースで服飾品を展開しています。バッグ、ポーチ、サンダル、財布、洋服、ジーンズ、キッズ服となんでもあるので、品質にこだわらなければショッピングにもおすすめ。
だいたいのお店には商品に値段がついているので、それを目安に買うことができます。複数点購入する意思を見せれば値段交渉にも応じてくれます。基本は旅行客よりも現地人向けなので、市場よりもぼったくりの被害にあう確率は少ないでしょう。ただし、スリには気を付けてください。ちなみに、こんなドローカルなお店に、日本人経営のお店もあるようです。是非見つけてみてください。
ローカルフードは食堂で
ご飯に惣菜が添えられた皿飯や、果実を絞ったフレッシュジュース、スムージーといったドリンク類も扱う食堂もありました。タカプラザの斜め向かいです。昼時になると、タカプラザや付近の建物で働くベトナム人がこぞっとやってきて盛り上がります。昼時以外は客はいないのでねらい目です。プラスティックの赤いイスとブルーのテーブル。ベトナム全国同じ装いなのが非常に不思議です......(笑)
まさかのホテル!
路地奥には、まさかのホテルもありました。「リトル・サイゴン・ブティック・ホテル」という名前です。「こんなところに泊まるヤツなんていないだろうな〜」と思っていたら、中から欧米人の笑い声が......。さすがです。スタッフの人と話をしたところ、実は日本人客も多いとのこと。その理由は、と質問すると、「立地と客室」と返ってきました。
たしかに、立地はレロイ通りのど真ん中。ベトナム色香る路地裏というのは、旅好きな人からすると、かなりストライクかもしれません。しかも、客室を拝見したら、意外や意外、とても清潔でした。一泊30ドルちょっとから泊まれます!
さすがにこの奥は......
昼間に撮影したにも関わらず、その先の風景は真っ暗闇。決して映ることはありません......。この先にはいったいどんな発見があるのでしょうか......。ちなみに「Toc Hair」という看板を見ることができます。勘のいい方はご理解されたかもしれませんが、まさかの床屋です。ただ、床屋というよりもネイルやヘッドスパがメインの小さな小さなお店です。
古い建物を上がった先に
路地の途中に、写真上のような古めかしい建物を発見。ここでスルーしたら男がすたります。一回は洋服屋ですが、売る気があるのかないのか、正直買う気は起きないでしょう......。そして、脇にある螺旋階段を上がります。
階段を上がった先にあるのは「モーニング・カフェ」。コーヒーの淹れ方に一工夫加えたベトナミーズ・コーヒーが自慢のカフェです。パソコンを扱うビジネスマンや、談笑に耽る女性、ソファ席でドリンクを啜る女子学生など、現地人の憩いの場所のようです。彼らもよくここを見つけましたね。彼らのその嗅覚には、本当に脱帽します。
さらに上に上がると、今度は「マウンテン・リトリート」というレストランを発見。山岳地帯に暮らす少数民族の家を真似た素朴な内装と料理が定評。屋外席はルーフトップになっていて、晴れた日は昼間でも夜でもベトナムらしい時間を満喫することができます。飛行機の機内紙にも紹介されていたので、おそらくかなりの名店の様子です。
ベトナムに欠かせない存在の路地
ベトナムの現地には、在住日本人向けのフリーペーパーがいくつかありますが、やはりどこも路地を特集しています。「今日はこの路地で、こんな発見が......」、「誰も知らない路地をくぐった先は......」そんな冒険心くすぐる見出しが似合う路地は、旅行者にとってもお楽しみどころの一つとなるでしょう。是非、自分の足で、まだ見ぬ路地を発見してみてください。