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ハノイのバックパッカーエリア「ゴーフィン通り」を歩く

ベトナムは19世紀から20世紀中頃までフランスの植民地でした。フランスは東南アジアを支配地域にし、ラオスやカンボジアをフランス領にしました。この半島一帯を「フランス領インドシナ」と呼ぶようになり、現在では欧米人をはじめとした世界中のバックパッカーが縦断するルートになっています。多くの旅行者はハノイを起点に、南下してホーチミンに入ります。ホーチミンにはファングーラオと呼ばれる一大バックパッカー街がありますね。ハノイにはそれほどの規模はありませんが、彼らの小休止処として、バックパッカー通りが設けられています。

場所はハノイ市街地の路地先

「バックパッカーストリート」という看板をあちらこちらで見る

バックパッカー通りがあるのは、ハノイの中心市街地。ホアンキエム湖北部から徒歩10分程度です。目印はハノイ大教会。観光名所にもなっているので、地図はガイドブックを見ればわかるでしょう。実は、バックパッカー通りはこのハノイ大教会のすぐ脇を通っています。ホアンキエム湖周辺であれば、旧市街だろうと、湖南部だろうとタクシーでもシクロでも気軽に行くことができます。

雑多な通りはまさにバックパッカー専用の通り

バックパッカー街というのは、どこの国も似たような風景

バックパッカー通りと呼ばれるのは、「ゴーフィン(Ngo Huyen)通り」。狭い道幅の通りが100mほど続き、両脇には所狭しとあらゆる店が軒を連ねています。一昔前に、日本でもバックパッカーブームが巻き起こりましたね。作家・沢木耕太郎氏の「深夜特急」シリーズに感化されて、一人旅に出た人は多いはず。ハノイのゴーフィン通りは、他のバックパッカー街と比べると治安もよく、穏やかな時間が流れているので、ビギナー旅行者でも安心して歩くことができます。

すべてが揃うカオスな通り

ハノイ大教会周辺には、バックパックを売る店も多い

ハノイ大教会周辺の通りは、ニャートー通りやハンガイ通りをはじめ、近年観光客向けにモダンな通りとなりました。ホーチミンのドンコイ通りのように、お洒落なカフェやレストランが並び、シルクを扱うちょっと高めの服飾店が並んでいたりと、一昔前と比べるとだいぶ様変わりしました。その中でもゴーフィン通りは異色の雰囲気を放っています。大きなバックパックを背負った欧米人が行き交い、店はすべて間口の広いオープンスタイル。歩けばどこからともなく呼び声がかかり、昼間からビールを飲んでいる旅行者たちを横目に安宿を探す......。東南アジアらしいカオス的な時間に呑みこまれつつ、異国情緒を満喫していってください。

安宿探しならここが一番!

宿の人とも仲良くなろう。それが旅の醍醐味

写真上の看板に注目。なんと一泊5ドル。日本円にして600円程度。客室内は2〜3のベッドが並んでいて、混載となります。ベトナムではドームルームはあまり見かけませんね。ホーチミンには二段ベッドタイプのドミトリーがいくつかありますが、ドームルームはありません。このような混在型の部屋は、日本人にはうけませんが、欧米人にとっては情報収集、友達作りの場として非常に親しまれています。

何といっても安いですしね。

ホステルタイプも多い

南部と北部では若干呼称に違いがある

「同じ部屋に他人と泊まるのは嫌だ」という方には、「ホステル」がおすすめ。こちらもドミトリーのように混在の場合ばあるので、実際は部屋をチェックしなければなりませんが、基本は一部屋タイプ。ただし、ゲストハウスと同じなので、部屋はそれほど清潔ではありません。4畳半から6畳程度の部屋にベッドとデスク、トイレ兼シャワーがある程度です。料金は10ドル〜20ドルが相場。連泊すれば値切り交渉にも応じてくれます。

筆者は南部ホーチミンに住んでいますが、ホーチミンのバックパッカー街では、あまりホステルという単語は見かけません。それよりも「ゲストハウス」、「ルーム・フォー・レント」が主流です。明確な定義や区別はありませんので、とりあえず上記のような看板を見かけたら、入ってみてどのような部屋なのか教えてもらいましょう。

カフェ&レストランも充実

欧米人御用達なので、レストランの西洋料理は意外といける

レストランもホテルに負けず劣らずの数が軒を連ねています。主に西洋料理かベトナム料理レストランですが、大抵はドリンクだけ注文して、カフェとして時間を潰すこともできます。気さくなオーナーやスタッフと会話をしつつ、欧米ナイズされたハンバーガーやパスタに舌鼓を打つ、そんなベトナム旅行もいいでしょう。また、ベトナム料理レストランでは、北部名物のフォーやブンチャーをはじめ、揚げ春巻きやバインセオ、ブンボーフエといったベトナム各地の料理も食べることができます。旧市街や湖周辺の小洒落たレストランと比べると値段も安いので、定番料理はここで押さえておくのもいいかもしれません。正直味はどこもそれほど変わるものではありませんので......。

最近は店頭にメニューを置く店が多くなった

中には欧米人が経営しているカフェレストランもあります。西洋風のお洒落な内装、インテリアは女性必見。もちろん料理も本場の味を提供してくれます。バックパッカー通りという雑多な町並みの中で、静かにワインを傾け、テーブルクロスが敷かれた上で料理を堪能する時間も捨てがたいものですね。

ちなみに、どこのレストランやカフェでも必ずビールは置いてありますので、名物のハノイビールや、ハイネケン、タイガーといったアジアンビールに酔うのもいいでしょう。

ツアーはここで申し込みを

ツアーデスクはどこも同じものを扱っている

ツアーデスクでハノイのオプショナルツアーに申し込む際にも、ゴーフィン通りは役立ちます。10歩歩けばツアーデスクがあるくらい店が多く、またどこも似たようなツアーを扱っています。ハノイ旅行でおすすめのツアーは、郊外一択ですね。バッチャン村、ハロン湾、サパ、といった場所は、旅行者が一人で行くのは困難。バッチャン村くらいであれば、タクシーで行くこともできますが、正直ツアーに申し込むのと、料金はそう変わらないでしょう。

ここに並んでいるツアーデスクはすべて英語ガイドのみなのが玉に瑕ですが、何よりも安い料金で参加できるのが魅力です。もし半日以上時間に余裕ができたら、ツアーに申し込んで、もう一つ思い出を作ってみるのもおすすめです。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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