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雨季のベトナム旅行、おすすめエリア【ダナン】の過ごし方

東南アジアに位置するベトナムでは、他の近隣諸国と同様に5月の半ばころから雨季に入ります。1年を乾季と雨季でくくれるベトナムでは、これから約半年という長い期間雨模様の天気にさらされることになります。旅行者にとってはアウトドア観光がしずらくなるので残念ですが、中部のダナンは他の地域に比べて雨季の期間が短いので行くには最適です。雨季を十分理解することで、より充実したベトナム旅行をおくることができるはずです。

ベトナムの気候と雨季

北部は「温帯夏雨気候」、中部は「熱帯モンスーン気候」、南部は「サバナ気候」に属しています。南北に長い国土を持つベトナムは、エリアによって気候が異なるのが特徴です。

しかし、ベトナム旅行で人気のあるトップ1の南部ホーチミン、そして次点の北部ハノイは、ともに5月から雨季に突入します。両エリアとも雨季が終わるのは11月~12月にかけて。つまり、約6か月間は雨季となります。

旅行中はスコールに注意

ベトナム人はスコール対策もばっちり

スコールは「突発性豪雨」。この雨季の時期は天気予報をみても毎日が雨マーク。しかし、日本のような長雨になることは稀で、突然激しい雨がやってきて、数十分ののち去るといった具合です。このスコールが1日1回~3回ほど断続的に繰り返されるのが、東南アジアの雨季の特徴となります。

激しい雨は折り畳み傘でしのげるものではないので、ベトナム人は全員雨合羽を着ています。また、雲行きが怪しくなればスコールを心配することができるのですが、青空が広がる中で突然豪雨が降ることもよくあります。その場合は比較的早くあがる傾向にありますが、どこかの施設やカフェでやむまで過ごすようにしましょう。

スコールの利点

風が出て涼しくなるので、特にハノイでスコールは嬉しく感じることもある

スコールは悪いことばかりではありません。南国の気候を持つベトナムは、雨季の時期であっても晴れている時間は非常に日差しがきびしく暑いです。また、ハノイは湿度が1日中80%を超える日々が続くので、じめじめした嫌な気温となります。

そこでスコールが降ってくれると、気温が下がり、風が吹いてくれるので、過ごしやすい天気と変わります。在住者の中には「スコールが降ったあとが絶好の観光日和」という人も多くいるほどです。また、南部メコンデルタ地方へのツアーに参加される方は、スコール時はバスの中で待機することになります。その後は風が吹いてアウトドア観光に最適な気候になるので、暑いのが苦手な方は、むしろ雨季の時期にメコンツアーを予定するのもいいかもしれませんね。

虫よけ&虫刺され対策を

あいにくムヒはベトナムには売っていない。日本から持参しよう

スコールのあとは蚊が大量に発生します。都心部であってもデング熱を持つ蚊も発見されていますので、虫よけスプレーを準備しておくといいでしょう。また、虫さされてかぶれたり痒くなったりしたときに使うムヒも必須アイテム。痒くて観光に支障がきたすこともありますので、蚊に刺されやすい体質の人は特に準備しておきましょう。

また、雨季の時期はホテルの客室内にも蚊が入ってきます。寝る前には虫よけスプレーを体に振りまいたりと虫よけ対策を講じてください。

おすすめ旅行エリアは中部ダナン!

ダナン中心部のバクダン通り

では、この5月~12月までの間は、ベトナムは全国どこでも雨季なのかというと、実はそうでもありません。「やっぱり雨を気にしない乾季が好き!」という旅行者にとっては抜け道となる観光エリアが「中部地方」です。


ベトナム国土の西側エリアには、ラオスとベトナムを分断する南北に連なるチョンソン山脈があります。北東から南西に向かって服季節風が山脈にぶつかると、逆風となり中部と南部の気候が逆転します。南部で雨季の時期は季節風が南西から北東に向かって吹き、南部は雨季、中部は乾季となります。中部地方の乾季の時期は2月~8月、最高気温は34度にまで上昇するので、この時期の旅行先は中部地方に固め打ちをしてもいいかもしれません。

また上記からわかるように、9月~12月はベトナム全土で雨季となります。ただし、その年によって雨季開けが早くなると、12月頭頃から雨がほとんど降らなくなります。

中部地方の雨季は旅行を避ける

いたるところの道路が冠水する

排水事情が劣悪な中部地方では、雨季の時期は道路がしばしば冠水します。排水されないだけであれば写真の水位にとどまるのですが、中部地方はハン川、トゥボン川といった河川があるため、これらが氾濫して洪水になり、海のような状態になります。中部地方の雨季である9月~12月は台風の時期にも重なるため、さらに降水量が増します。トゥボン川を傍らにもつ世界遺産のホイアンは、毎年手漕ぎボートで町中を移動することになります。イタリアのベネチアのようにも思えますが、川の氾濫は非常に危険なので、なるべくこの時期の中部旅行は敬遠するようにしましょう。

中部旅行の魅力

五行山から見渡すダナン市街地

雨季は注意が必要な中部地方ですが、実は、ハノイ、ホーチミンに次ぐベトナム第三の都市などとも呼ばれる観光スポットの一つです。最大の都市であるダナン市を中心に、ここ10年で著しい都市発展をしてきましたが、それでもハノイやホーチミンと比べると豊かな自然が町の中心に残る田舎らしさも味わうことができます。ダナンの主な観光名所としては、大理石の発掘山でもあった五行山や、リゾートホテルが並ぶミーケービーチとノンヌォックビーチなどが挙げられ、今まさに注目が集まりつつあるリゾート地です。

また、ダナンからはベトナムが誇る、さまざまな世界遺産へアクセスすることができます。中北部へツアーバスで行くこと3時間で着くのは世界遺産の建築物がある「古都フエ」。ベトナム最後の王朝である阮朝のお膝元となります。さらにダナンから車で東へ走ること40分で着くのは、古き良き町並みが世界遺産に登録された「ホイアン」。さらに南方にはチャンパ王国の聖域と称えられた世界遺産「ミーソン遺跡」があります。

旅行会社では、この3つを周遊するオプショナルツアーも催行しています。歴史遺産好きの方にも中部旅行はおすすめであることが分かります。

南国を感じるビーチリゾート

ダナンのビーチエリアはそれほど人が多くない

ダナンの中心市街地からタクシーでタンロン橋もしくはソンハン橋を渡り、その先に行くこと10分強。そこに広がるのはミーケービーチと呼ばれる、ダナンの誇るビーチエリアです。何キロにもわたって続く美しい砂浜は海水浴にもぴったり。他のビーチエリアほど観光地化されていないためか、海水浴客の姿もそれほど多くはありません。ゆっくりとしたリゾートライフを楽しむことができるでしょう。

できれば旧暦14日を目指して

ホイアンの幻想的な夜は世界中から注目されている

毎月旧暦の14日、世界遺産の町ホイアンでは「ランタン祭り」が開催されます。夜の帳がおりたころ、店内の人口的な明かりは消え、ランタンのぼんやりとした明かりだけが町と店を照らします。昭和初期の懐かしい香りが漂う町並みを歩くことができます。

開催日は旧暦のため毎月日付が異なります。自分が行く月の旧暦14日が何日なのかを事前にチェックしましょう。むしろ、このランタン祭りの日付に合わせて旅行日程を組むのもいいでしょう。それほどおすすめの観光スポットとなります。

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