ハノイに進出している日系企業数は700~800社と言われていますが、これは商工会議所が把握している企業数となるため、実際はその2~3倍以上はあると言われています。そのハノイに出張で訪れるビジネスマンは年々増加を辿っていますが、初めてハノイに訪れた人の多くが口にするのが「半袖の格好で行ったら、驚くくらい寒くて長袖を買うことになった」、「二度目の出張なのでバイクタクシーで移動しようと考えていたけど、寒くて乗れなかった」といった失敗例です。そこで、今回はハノイ出張者向けに、ホーチミンとは異なるハノイの気候や服装、現地の移動についての注意点をご紹介します。
初めてのベトナム出張者は北部の気候を知ろう
初めてベトナムに訪れる出張者がまず知らなければならないのが、「ベトナムの気候」です。北部に位置するハノイは誤解されがちですが、実は熱帯ではなく温帯気候に属しています。年間を通して乾季と雨季に分けられるのは他の地域と同じですが、11月を秋、12月~2月を冬、3月~4月が春、5月~10月までを夏と位置づけることができ、これは中部にも南部にも見られない季節となります。
ホーチミンとハノイ2都市移動者は要注意
出張者の中には、北部ハノイと南部ホーチミンに拠点を持っていて、ベトナム出張では2都市移動をするビジネスマンも少なくありません。しかし、南部と北部では距離で言えば日本の福岡と青森以上離れているため、気候も大きく違います。南部ホーチミンは年間を通して寒暖差のない常夏の気候である一方、北部ハノイは春夏秋冬があります。
特に11月~2月のハノイは秋冬の季節となりますので、この時期にホーチミンからハノイへ行くビジネスマンは、ホーチミンでは夏服、ハノイでは冬服の格好が求められます。ハノイの人々もしっかりと厚着を着込んでいるので、自分だけ半袖のワイシャツの格好で町を歩いたり取引先と会うと、相手に驚かれることは間違いありません。
秋冬のハノイでも出張者は夏服の持参も必須
しかし、ここで気を付けてほしいのが「秋冬(11月~2月)」の季節であっても、夏服も持っていかなければならないということです。ビジネススーツで仕事をする場合は、必ずジャケットも必要となります。確かにこの時期のハノイは気温が低く、体感で一桁となる日も珍しくありません。しかし、日によっては日本の初夏のように日差しが強く、じりじりと肌を焦がすような日もあるため、その際に備えて夏服の持参も必須となります。ちなみに暑い日はホテル内のプールで泳ぐこともできますので、仕事後にはホテルライフも十分楽しむことができます。
工業団地や港湾地帯へ行く場合は防寒具も持っていこう
ハノイ出張者の中にはタンロン、ノイバイ、ホアラックといった工業団地やハイフォン港といった港湾地帯があり、こちらに入居している日系企業も多くあります。これらの場所へ秋冬の時期に行く場合は、コートやダウンジャケットといった厚手の防寒着を持っていくのがベター。ビジネススーツだけだと参ってしまうほど寒い日があります。
ハノイ出張者が利用すべき市内の移動手段
ハノイ出張者は一般的に市内の移動にタクシーかGrabといった配車アプリを利用することになります。大手企業であれば自社で車を所有しているところも多いのですが、ベトナムでは車は非常に高いため、企業であっても中小零細であればタクシーを利用するのが普通です。しかし、ハノイ市街地はビジネス街が広くに分布していますので、タクシーで移動すると料金も高額になってしまいますし、逆に近場の場合は乗車拒否にあうこともあります。そのため、時間に追われる出張者は料金が事前に決まっている配車アプリの利用がおすすめです。
配車アプリの注意点。ハノイでは途中キャンセルも多い
配車アプリの利用は昨今ハノイ出張者の定番でもありますが、ハノイでは市街地の渋滞がひどいため、ラッシュアワーの時間帯はなかなか車が見つからなかったり、途中でキャンセルされてしまうことも多々あります。また、雨の時間帯や車で混んでいる時間は料金が一時的に上がってしまうことにも注意が必要です。場合によっては流しのタクシーをつかまえた方が早いこともあります。
ハノイは東南アジアの中でも独特な気候を持つ
東南アジアといえば、漠然と年中暑いイメージがありますし、実際その通りです。しかし、ベトナムのハノイは北部に位置するため、熱帯気候から外れているのが特徴。1年を通して独特の気候を持つ都市となるので、初めてハノイへ行く出張者は、現地の情報を収集してから経つようにしてください。