海外旅行ではポストカードやマグネットなどのチープ雑貨やスノウボールやシルバーアクセサリーなどの定番雑貨などを買うのが楽しみですね。ベトナムは取り分け女性旅行者に人気の雑貨が多いようですが、他国となにが違うのでしょうか。
ベトナム雑貨の歴史
ベトナムが日本人の旅行先として知られるようになったのは1990年中ごろ。当時ベトナムはドイモイ政策(1986)による市場開放直後ということもあり、世界中から注目されていました。いち早くベトナムに投資を開始したのは韓国やロシア、フランスなど。日本が台頭するようになったのは2000年代に入ってからなので、まだそれほど経っていません。
1990年代、日本女性の間に「ベトナム雑貨」がちょっとしたブームとなりました。どこの国でも売っているチープ雑貨や定番物と異なり、ベトナムのお土産はどれもベトナムの歴史にちなんだものだったのが人気の秘訣となりました。
例えば水牛の角で作ったスプーンやフォーク。椰子の実で作ったお椀、。職人による手刺繍をほどこしたポーチや財布。少数民族の衣装生地でつくったバッグ。かつて日本の千利休も愛でたと言われるバッチャン焼き含む陶磁器など。
特にバッチャン焼きはベトナムを越えてアジアを象徴する陶磁器として知られるようになりました。日本にも多く輸出され、また一部は日本文化の影響を受けたデザインも作られるようになりました。ちなみに陶磁器作りも刺繍もご存知のように日本の文化でもあります。そのことからも、遠く離れた外国でありながらも身近に感じる国として、多くの日本人が共感するようになったのです。
日本人のために作られたドンコイエリア
ホーチミンのドンコイエリアは、ベトナム最大の繁華街。数百のお店が軒を連ねています。雑貨店はもちろん、カフェ、レストラン、マッサージ店、ホテルなど、まさに旅行者のための町。このドンコイエリアが現在のようにお土産店で溢れるようになったのは、日本人旅行者が増えたからと言われています。というのも、欧米人や他のアジア圏の国々には、雑貨をお土産に買って帰るような習慣がなかったからです。
確かに物産展に行くと、カゴにたくさんお土産を詰めているのは決まって東アジアの人々。欧米人は買っても両手で余る程度です。現在でもドンコイエリアの雑貨店にはほとんどのお店で日本語ができるベトナム人スタッフがいます。「うちのお店の売り上げの8割は日本人だよ」というお店も普通にあります。
毎年のように変わるベトナム土産
2000年代に入ると、ベトナム土産も非常に多様化してきました。伝統と名の付くの雑貨もお店によってオリジナリティを出すようになってきましたので、これまでのような「どこのお店も同じようなものしか売っていない」という欠点がなくなってきました。さらに近年旅行者に人気となっているのが「お菓子」のお土産です。特産のカカオを使ったチョコレートやコーヒー豆、蜂蜜、ナッツなどはどれもお土産の定番となっていて、小規模のメーカーが中心となって、お土産業界を牽引しています。
もちろんこれらのお菓子は昔からありましたが、それをお土産用にブラッシュアップしてパッケージや味などに磨きをかけたのが、今はやりのお菓子ブランドとなります。チョコレートのマルゥや生はちみつのユーゴックなどはその象徴となっています。数年前に一度ベトナムに来た方も、もう一度お越しになってみてください。きっとまるで違う町並みやお土産の種類に驚かされることでしょう。
「旅の目的はショッピング!」それが唯一通じる国へ
ベトナムは個人旅行者が非常に多く、ほとんどの観光客は自分たちで市内を歩きたいと思っているようです。「ベトナム雑貨を買いに日本から来た」というショッピング目的の旅行者も多いほど、現在ではベトナム=雑貨が定着しています。これからベトナム旅行を計画している方は、買い物を1つの旅の目的として旅程を組んでみてはいかがでしょうか。