ベトナムには2019年現時点で旅行者が利用しやすい電車はまだ通っていません。南北統一鉄道がハノイからホーチミンまで走っているのですが、あまり居心地は良くないため、どちらかというと旅慣れたバックパッカー向けの乗り物です。アジア旅行初めての方や子供連れのファミリーは、主に長距離バスを利用して他都市に足を運ぶことになります。
しかし、アジアの長距離バスときくと、「しんどそう」、「誇りが充満している汚い車内」というイメージがあり、ちょっとした覚悟が必要。そこで、今回は旅初心者も安心して使いこなすことができるバス利用で知っておいてほしい準備と注意点をご紹介します。
ローカルバスの乗り方はこちらで。
バスに乗ればこんなに旅が広がる!
旅行者の中には、「1つの都市で十分だよ」という人もいるかもしれませんが、ハノイやホーチミンから少し離れれば、雰囲気ががらりと変わった町に出会うことができます。両都市ともリゾート地ではありませんので、バスを利用して南国バカンスを満喫してみてはいかがでしょうか。
例)ホーチミン+ムイネー・ブンタウ・ニャチャン
ダナン+ホイアン・フエ
フエ+フォンニャケバン国立公園
ハノイ+サパ・ニンビン省
バスに乗る前に~準備編
バスに乗って他都市に行く際の準備編。絶対にこれだけは用意しておいてほしいものが幾つかありますが、その多くは飛行機に乗る場合と共通しているので、これだけのために備品を購入する必要はないはずです。
1.スーツケースや預けるバッグには必ず鍵を付ける
座席に持ち込めないスーツケースやボストンバッグなどは、基本はバスの側面にあるトランクルームに預けることができます。しかし、ここでの盗難も時折見かけますので、頑丈な鍵は必要です。また、間違え持っていかれないように、自分の名前やホテル宿泊先住所を記載したタグなども付けておきましょう。
2.日帰りはパスポートは必要ないがコピーは持参
現地で宿泊する場合はホテルにパスポートを提出しなければなりませんが、日帰りの場合は必要ありません。バスの乗車券を購入する場合も特に求められることはありませんが、念のためコピーは持参しておくといいでしょう。
3.電子機器類(モバイルバッテリー、ポケットWiFiなど)
バスによってはWiFiを設置している車種もありますが、基本はないと思っていてください。また、座席はシンプルのため、充電できるコンセントもありません。車内でスマホを弄る場合は、モバイルバッテリーやポケットWiFiなどを持ち込むようにしましょう。
4.携帯寝具
もし所要時間が6時間以上であれば、寝台バスを手配するのも1つの手です。寝台バスの場合はブランケットなどの準備はありますが、頭にうまくフィットするような気の利いた枕などはありません。終点が目的地ならばアナウンスを気にする必要はないので、アイマスクや耳栓もするとぐっすり眠ることができるでしょう。
車内は意外と清潔!
シートタイプ、寝台タイプともに、複数社のバス会社を旅行者は利用することができます。詳しくは旅行会社、ツアーデスク、ホテルレセプションで質問してみましょう。ただ、いずれのバスも最近はしっかりと整備されてきていて、「冷房完備」や「座席シートのリクライニング有」といった日本でも普通に見かけるのと同等のサービスを提供してくれます。長旅にはなりますが、おそらく想像以上に快適な旅となるかと思います。
長距離バスの注意点
続いてはバスに乗車後の注意点をご紹介します。
1.乗車券の半券は最後まで持っている
乗車券は入口で乗務員に見せて、さらに車内で点呼をとるときにも見せます。乗務員の中には乗客の顔を覚えていない人もいますので、その場合は支払い済の証である半券を見せましょう。
2.途中の休憩では必ずトイレに行っておこう
2時間以上乗車する場合は、最低1回はトイレ休憩もしくは食事休憩があります。前者の場合は15分程度。後者の場合は30分ほど休憩することができます。長旅となるため腰もいためがち。リフレッシュする意味でも、バスを降りて背筋を伸ばしましょう。また、トイレはお世辞にも綺麗とは言えませんが、次にいつ行けるか分かりませんので、ここで必ず行っておきましょう。
3.到着間近になったら、乗務員に降車住所を伝える
目的地の町についたら、終点バスターミナルまでの間は自由に降車ができます。とはいえ旅行者はどこで降車すべきか分かりませんので、ホテル名と住所を書いたメモを乗務員に渡せば、スムーズに降りることができます。
4.現地に到着したら、帰路のチケットも買っておく
ハイシーズンの時期はバスのチケットも売り切れになりますので、希望の時間があるならば、現地バスターミナルに到着したら、すぐに帰路の分を買っておくといいでしょう。
長距離バスを攻略してベトナムをより楽しもう
バスを乗りこなすことができれば、ベトナムをより楽しむことができます。ローカルの路線バスと異なり、外国人も多数利用するため、比較的乗り方は簡単です。英語ができる乗務員が乗ることもあるので、是非少し勇気を出してバスを利用してみてください。