ベトナムには8つの世界遺産と2つの無形遺産があります。今回紹介するチャンアンは、2014年に登録された最も新しい世界遺産(2015年フォンニャ洞窟の拡張を除く)となります。
陸のハロン湾と称されるチャンアンは、ハノイから南下すること僅か2時間で行けるニンビン省にある観光地。世界中の旅行者が訪れ、そして絶賛する観光スポットです。
アクセス
ハノイからおよそ2時間で行けるニンビン省。ニンビン省の観光地内に入ると、途端に景色は様変わりして、右を見ても左を見ても大自然の風景を愛でることができます。旅行者にとってはツアーで行くのが最も効率的です。普通はホアルーと併せて行くことになり、1日日帰り観光となります。
服装に注意
チャンアンはボートに乗って湾内を周遊します。しかし、ボートの乗船時間はおよそ2時間と長丁場。夏場は日差しがサンサンと降り注ぐのんで、半袖でもかまいませんが上に羽織れるものを持っていくといいでしょう。日焼け止めクリームも必要です。一方11月以降はベトナム北部にも秋冬が訪れます。長袖やジャケットが必要となりますので、現地の天気と気温をよく確認しておくといいでしょう。
東南アジア唯一の複合遺産「チャンアン複合景観」
ユネスコに登録されているスポットは、自然遺産と文化遺産に区別されていますが、その両方を併せ持つのが複合遺産で、世界で見ても非常に稀。東南アジアではチャンアンのみとなります。チャンアンはタムコックやハロン湾と同様、石灰石でできたカルスト台地です。その後何百万年という長い歳月で海水が石灰岩を浸食し、洞窟や奇岩、陸と河、渓谷と渓流などができあがりました。
チャンアンではおよそ2時間のボートクルーズを楽しむことができます。船は1隻定員4名なので、4名以上もしくは以下の場合は相乗りとなります。もしプライベートがいい場合は、4名(1隻)分のチケットを買わなければなりません。また、ボートの最後にはオールを漕いでくれている人から白いアンケート用紙を渡され、そこにチップの記入欄もあります。こちらはお好みでわたしましょう。わたす場合は5万ドン程度を目安に。
船の道中で楽しめること
ボートに乗ってみる大自然の風景がチャンアンの最大のハイライトであることには間違いありませんが、それ以外にも、途中複数回降りる地点があり、いずれも仏教寺院を見学することができます。ただし、寺院の中には世界遺産後に作られたものもあるため、それがタムコックと比べて「人工的な自然風景」と揶揄されていもいます。ただし、旅行者にとってはベトナムらしい寺院に変わりありませんし、ベトナム人が参拝をしている様子も見学できるので、貴重な体験ができるはずです。
また、2017年公開の「キングコング」のロケ地にもなったチャンアン。現在もテントなどロケ現場が残されていて、観光地化されています。
美しい山水の風景は最高の思い出に
タムコックでは間近に切り立った岩山を見学できるのに対し、チャンアンは遠くまで見渡すことができる風景が特徴となります。頭上に聳える岩山をすり抜け、その遠くの風景を見やる......。まさに大自然を目と肌で体感することができます。ホーチミンであればメコンデルタやカンザーが自然地帯としては有名ですが、さすがの世界遺産チャンアンはスケールが違います。
一生に一度は行きたいスポット
世界遺産ハロン湾とチャンアンのどちらか一方しか行けない、という旅行者であれば、ハロン湾よりも近いチャンアンで、手漕ぎボートという、情緒ある乗り物に乗って大自然を跨いでみてはいかがですか。日本には存在しない世界複合遺産。是非その目で確かめてみてください。
<DATA>
名称:チャンアン(Trang An)
アクセス:ハノイ市街から車で約2時間。ツアーで行くのが一般的。