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ホーチミンで人気の博物館5選

海外旅行では旅行者それぞれ旅のしおりを作っていることでしょう。多くの人は日本にいるうちから、どこに行こうかパートナーとあれこれ考えているのではないでしょうか。

市内観光の定番といえば、博物館や美術館といった観光施設。その国や都市の歴史と政治、芸術などを学習することができます。とりわけ日本人は歴史が好きな方が多いですし、その国や土地の概要をより知ろうと考えます。

そこで、今回はホーチミン市内で人気の博物館を5つ集めてみました。

① 一番人気はココ!「戦争証跡博物館」

いつ来ても多くの現地人と観光客がいる

ベトナム全国の博物館の中で最多の入場者数を誇る「戦争証跡博物館」。ベトナム戦争を題材にした博物館は多々ありますが、同博物館は各国のジャーナリストや国がどのようにベトナム戦争を報じたかを解説。

さらに戦争ジャーナリストが撮影したベトナム軍側と米軍側、そして民間人と市街地の様子は非常に貴重かつ訴えてくるものがあります。施設傍の庭には小型戦闘機や戦車のレプリカも展示されていて、こちらも映画などによく登場する有名の型式です。

この写真を見て、見学者は何を思うか......

戦争証跡博物館は当時ホルマリン漬けされた奇形児なども展示されていました(本物です)。しかし、さすがにグロテスクというのと、異臭が絶えなかったため現在は写真や銃火器のみを展示。しかしそれでも、戦火から逃げ惑う一般庶民や子供たち、枯葉剤の被ばくによって一部が奇形した少年少女などの写真は、目をそらしたくなるほど。

写真から訴えかけてくる彼らの心の叫びをどのように受け取るか。歴史学習の場としては、これ以上にないおすすめの場所となっています。

② ベトナム戦争で最も重要な場所「統一会堂」

統一会堂外観写真

続いてご紹介するのは、「統一会堂」。旧大統領官邸です。1960年以前はご存知の通り、ベトナムは北部ハノイと南部サイゴンに国家は分かれていました。その統一をかけた戦争がベトナム戦争となり、1960年から1975年まで実に15年という長き戦いでした。

この統一会堂は単なる大統領官邸ではありません。「この地でベトナム戦争が終結した」非常に重要な場所とみなされています。統一会堂という名称も、北と南がここで統一した場所にちなんで改称されました。

一言でいえば、すべてがゴージャス

館内は一部が一般公開されていて、現在でも重要な会議の場所として使われているため、いつきても門前はセキュリティで厳重です。館内は当時の大統領とその夫人が生活していた寝室や図書室、そして作戦会議室、暗号解読室などもあります。夫人が嗜んでいたとされる庭園やシアタールームなどもあり、当時は非常に贅沢な暮らしをしていたのが分かります。

屋上にはヘリポートも見えます。当時北ベトナム軍が押し寄せてきたときは、すでに空港は占拠されていたので、逃げることはできませんでした。そして4月30日に、同官邸に北ベトナムの国旗が掲揚。ベトナム戦争の終結となります。見学する際は、少しでもベトナム戦争の概要を調べてからいくと、より有意義な観光ができるかと思います。

③ ベトナムの歴史を先史時代から追う「歴史博物館」

歴史博物館中央広間。ホーチミン像がやはり目立つ

ベトナム戦争やホーチミン革命家の博物館がほとんどを占めるホーチミンでは貴重の「歴史博物館」。ベトナムの歴史を先史から近代まで順に追うことができ、全国各地で発掘されたものも展示しています。

ベトナムの歴史上重要となる中国とフランス。ベトナムは中国に約1000年、フランスに約90年支配されていました。その時代背景によって、出土品(皿やアクセサリーなど)のデザインがまるで異なるのも興味深くあります。

エスニックな歴史が好きな旅行者は必見だ

さらに、ベトナムは仏教大国ですが、2世紀から19世紀に存在した独立国家「チャンパ王国」は、ヒンドゥー教でした。歴史博物館では、いまだ謎に満ちたチャンパ王国の発掘品も展示されています。

また、定時にはハノイ発祥の水上人形劇も開催。規模は小さめですが、こちらでも十分見ごたえがありますので、時間が合えば鑑賞しておきたいところです。さらに、歴史博物館は動植物公園に隣接しているため、小さなお子様連れであれば、博物館を見学する前後に動物園を歩いてみるのもいいでしょう。

④ 生きた戦争博物館「クチトンネル」

観光を楽しみ、歴史を学べる

ホーチミン市クチ県にある「クチトンネル」は、全長250kmに及び、カンボジアとの国境まで続いていると言われている長いトンネル。実際使われたのはベトナム戦争のときで、数百のベトコンとベトナム人女性がここで生活していました。

クチトンネルは旅行者の間では「生きた博物館」と呼ばれているように、戦争の激戦区であった場所がそのまま解放されている例はそれほど多くはありません。敷地内には実物のブービートラップや戦車を見ることができたり、ライフルの試し撃ちも可能

大柄な人はなかなか入れない

"ゲリラ戦"、"ブービートラップ"といえばベトナム戦争を彷彿とさせますが、ここクチトンネルがその激戦区。敷地内のいたるところに大小の穴があり、穴に入れるのは小柄なベトナム人だけでした。また、アメリカ人も入れるような大きな穴は、その先が行き止まりで、穴に入ったのを見計らって背後から襲う手段をとっていました。

市内から行く場合はツアーに参加するのが手っ取り早くておすすめ。クチトンネルだけなら半日で帰ってこれますし、その後カオダイ教やメコンクルーズに行く1日ツアーも催行しています。

⑤ ベトナムを語る上での最重要人物の博物館「ホーチミン博物館」

1区からすぐの場所にある

市民劇場からタクシーで5分。隣にはディナークルーズ船が停まる埠頭があるので分かりやすいです。同館の裏手に回るとサイゴン川を見渡すことができ、穴場の撮影スポットとしても知られています。

ホーチミン市内には「ホーチミン市博物館」や「ホーチミン作戦博物館」といった博物館がありますが、ここは「ホーチミン博物館」なので間違わないようにしてください。ホーチミン博物館では、主に革命家ホーチミン氏の生い立ちやキャリア、実績などを紹介しています。

大統領官邸前に立つ群衆

ホーチミン氏は北ベトナムの初代主席であり、また革命家という側面を持っています。ロシアのレーニン氏を尊敬し、マルクス=レーニン主義をベトナムでも浸透させることに尽力し、現在では同主義を「ホーチミン思想」と呼んでいます。

ホーチミン氏が活躍したのは抗仏戦争。いわゆるインドシナ戦争となります。フランスから独立を勝ち取ったあと、ベトナム戦争でもその姿は端々で現すのですが、1969年ベトナム戦争の真っただ中に死去しています。ホーチミン博物館では、その道中の軌跡を辿ることができます。

滞在中に1~2か所は行きたい

限られた滞在時間を博物館を回って終わるのはもったいないのですが、ベトナムやベトナム戦争を知る上でも、やはり1~2か所は行っておきたいところです。

どの博物館に行けばいいのか迷っているのであれば、ここで紹介した5つのスポットを検討してみてください。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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