東南アジアでは一部のアイランドを除いて、ほぼすべての国がこの時期は雨季となります。雨季といっても毎日降ったり、日本の長雨とはまた違い、一日数回集中豪雨が降る程度なので、それさえやりすごせば、快適な旅行生活をおくることができます。しかし、雨季の様子は例年通りというわけにはいきません。異常気象でまったく降らない場合もありますし、その逆も然り。
そこで、今回は2017年10月の現地情報をお伝えしたいと思います。
10月から雨量が徐々に減少傾向に
まずは例年の月間降水日数を見てみましょう。
ハノイ:9月=13日、10月=9日
ダナン:9月=15日、10月=21日
ホーチミン:9月23日、10月21日
となります。中部地方(ダナン)は季節風と台風の影響で10月と11月が特に強い雨が降りますが、一方ハノイとホーチミンはともに9月よりも雨降りの日は少なく、特にハノイは30日中9日と3日に1日の割合しかありません。
ハノイは「秋」の到来
東南アジアといえば雨季と乾季だけの南国気候だと考えている方が多いかと思いますが、その気候はベトナムでいえば南部・中南部のみとなります。北部ハノイは緯度が高いので南部とは異なり温暖な地域となり、時期によっては季節を感じられることもあります。
10月と11月はハノイでは「秋」とみなされています。日本のように紅葉で彩られるわけではありませんが、この時期は雨も少なく、気温もぐっと下がるため、町はなんだか郷愁漂う不思議な雰囲気に包まれます。少なくとも南国らしい雰囲気ではありませんので、常夏の気候が苦手な方は、ハノイを目指してみてはいかがでしょうか。
中部地方は日本海のような荒々しい海へと変貌
10月11月は中部地方は台風のシーズン。さらに山脈にぶつかった季節風が強く吹き付けるため、中部地方のみ北部と南部には見られない豪雨がやってきます。この豪雨のせいで、中部世界遺産ホイアンやフエは道路が冠水して洪水に見舞われるのが毎年の出来事。
また、ダナンのミーケービーチは日本人にも知られているビーチエリアですが、この両月は日本海のように荒々しい波が起こり、海水浴は危険となります。中部観光はダナンならばビーチ、ホイアンとフエならば世界遺産散策と、いずれもアウトドア観光がメインとなります。中部の雨は南部とは異なり長雨になることもしばしば。2017年10月も同様の心配がされます。
南部旅行は楽しみ方を変えれば問題なく楽しめる
南部ホーチミンもこの時期は雨季で、むしろハノイよりも降水量と降水日数は多い様子。しかし、ホーチミンの場合はアウトドアとインドア双方楽しむことができるので、時期関係なくおすすめできる一大観光エリアともいえます。例えば雑貨はベトナム旅行の代名詞的存在。約20年前に起こったベトナム雑貨ブームから、いまもなお衰えることなく観光客に人気を誇っています。
2017年10月のホーチミンでは夜の部を満喫
ホーチミンはナイトライフを楽しむのが充実した滞在をおくる秘訣。こちらは筆者一押しの「アオショー」。開催場所は1区中心のオペラハウスというのも洒落ています。オペラハウスは観光客によく知られていますが、実は普段は中に入ることができませんので、アオショーはショーの鑑賞だけではなく、オペラハウス館内の様子も見どころの一つ。コロニアル建築の神髄。西洋でしか見られないと思っていた美しい彫刻とステージを見ることができます。
また、こちらも旅行者の定番スポット。毎夜就航するディナークルーズです。「サイゴン号」、「インドシナ号」、「ボンサイレガシー号」、「ベンゲー号」などが毎日19時~20時を目途に就航します。約1時間半のクルーズで、サイゴン川を周遊しながら豪華ディナーを堪能することができます。
折り畳み傘と雨合羽は便利アイテム
ベトナムの雨は、しばしば何の兆候もなしに突然ふります。ただし、それがスコール(突発性豪雨)です。だから、いつ雨が降ってもいいように、折り畳み傘と雨合羽をバッグに入れておくのは賢い方法。いずれも市内のコンビニで買えますし、雨合羽は行商や屋台でも買うことができます。高いものは必要なく、その場を凌げる安物でいいので一つ常備しておくといいでしょう。