縦に長い地形を持つベトナムは、地域によって気候が異なります。北海道と沖縄のような明らかな違いはありませんが、北部の山岳地帯では雪が降りますし、ハノイであっても季節によってはジャンパーを着こまなければ出歩けないほど寒い時期もあります。そこで、今回は2017年8月のベトナムの様子をお伝えしたいと思います。現地情報も踏まえて、8月旅行者はどこのエリアがおすすめなのかもご紹介します。
2017年8月のホーチミンは局地的な雨が多い
今年の8月は全国的に局地的な雨が多い様子です。8月に雨季真っ盛りのエリアは北部ハノイと南部ホーチミン。筆者が居住しているホーチミンを例にとれば、例年よりも雨足の数は少ない様子。日中の最も活動したい時間はその多くに晴れ間をのぞかせています。ただし、降水量を見てみると、例年よりもそれほど差がないよう。1日の内最も雨が降りやすい夕方、そして深夜の1~2時間の限定された時間の中で、かなり強い豪雨が降っているようです。
ハノイとホーチミンの天候の違い
8月におけるハノイとホーチミンは雨の降り方に違いがあります。先ほどホーチミンは1~2時間の間に猛烈な雨が降ると説明しましたね。おそらく多くの旅行者は「スコール=ベトナムらしい」と考えているはず。しかし、それは南部での話。北部ハノイは南部とは気候が異なるため、スコールというよりは、日本のような長雨になることも多いです。しかも厄介なのが、年間を通してハノイの8月は最も気温が高くなる時期でもあり、また湿度も毎日80%をこえるため、眼鏡は曇りますし、雨合羽はべたつきますしいいことがありません。雨が降ったあとは多少涼しくなりますが、できれば博物館など空調設備が整っている名所を渡り歩きたいところです。
中南部以南のビーチリゾートは避けるべき
7月のベトナムではビーチリゾートはまだ間に合うことをお伝えしておりましたが、8月はどうやら難しそうです。ベトナムにおける人気のビーチリゾートといえば、中南部ニャチャン、同じく中南部ムイネー。ホーチミンの隣にあるブンタウ。メコンデルタ地方最西端のフーコック島が挙げられますが、そのいずれも8月は雨季のピークとなります。いつ雨が降るか分からない状態で海に入るのはちょっとリスクがあります。特にフーコック島は時には波が荒れますので、危険もありますし、ダイビングなどマリンスポーツでは海中も濁っていて十分楽しむことはできません。
雨合羽&ムヒ&UVカットクリームは必需品リストに
現金とパスポート以外に絶対おすすめしたい必需品があります。雨合羽は現地でも買うことができるので、あえて持っていく必要はないかもしれません。ただし、虫刺され後の痒みを緩和させるムヒのようなものは、実はベトナムにはありません。ベトナムにあるのは虫よけスプレーくらい。ですので、ムヒは必須です。量的には一つあれば十分ですが、ホテルの寝室やレストラン、カフェに置き忘れてしまった、ということも考えられますので、できれば2つくらいは用意しておきたいところです。
UVカット対策はどのようにお考えですか。ベトナムは日本よりも紫外線の量が多いと言われています。男性も女性もUVカット対策は必須。ちなみにUVカットクリームはコンビニやスーパーでも気軽に買うことができます。多少高いですが、日本産もありますので買うは困りませんが、質のいいものを使いたければ、やはり日本から持参するのがおすすめ。安物を顔に塗ると、かえって赤くなったり、汗でべたつくこともよくあります。
中部世界遺産「ミーソン遺跡」に行こう!
北部も雨、南部も雨、となると残っているのは7月以降も乾季が続いている中部地方。ただし、中部地方も8月の下旬以降は乾季と雨季の境目となり、9月以降は徐々に雨降りの日が多くなってきますので、晴れの観光をしたいのであれば、早くに行くことがおすすめです。
中部世界遺産ミーソン遺跡はチャンパ王国の謎を知る大きな手掛かりのある聖域。現在ではユネスコ世界遺産に登録されています。ホイアンから車で1時間くらいで行けるので、同じく世界遺産のホイアンと併せて楽しむことができます。日本とは異なるヒンズー教が信仰されていて、雰囲気はエキゾチック。また、現在もなお発掘作業は続いているのも、旅行者を魅了しつづける要因の一つ。中部旅行の際はマストで訪れてほしい名所です。
ホイアンは夜を楽しもう!
1999年に世界遺産に登録されたホイアン。日本とも所縁があるとあって、歩いているとふと懐かしい光景に遭遇することができます。時間がとまったかのような、そんな時代錯誤の風景の中散歩するのであれば、昼よりも夜がおすすめ。昼間は厳しい暑さですし、名所巡りは体力が必要です。
夜になると涼しくなり、地元民も含めて多くの観光客でホイアンの町は埋め尽くされます。路地裏に入ると屋台が賑わい、バクダン通り沿いにはランタンの明かりが灯るレストランが深夜まで営業。ビールを飲みながらかつて朱印船が往来したトゥボン川を眺める時間も悪くありません。ただただ歩いているだけで絵になる、そんな貴重な体験ができるのがホイアン最大の魅力です。
雨の過ごし方
ハノイもホイアンもホーチミンも、市内のいたるところにカフェが点在しています。雨が降ってきたときは、無理して合羽を着て観光を続行するよりも、カフェで一休みするのがベトナム旅行ではおすすめです。晴れのベトナム、雨のベトナム、双方異なる楽しみ方を覚えておくと、雨だからといってうなだれることもないでしょう。