カンボジアの定番土産に数えられるパームシュガー。オールドマーケット傍でもいくつかのお店で買うことができます。ただし、せっかくだからパームシュガーを作っている場所で直接買ってみてはどうでしょうか。今回紹介する「プラダック村」は、パームシュガーを作る家が並ぶ通りで、ガイドブックでも紹介されています。現地で彼らから直接パームシュガーを買うこともできるので、観光名所の一つとしてこちらに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
アクセス
プラダック村はアンコールトムの東、バンテアイスレイや地雷博物館に向かう道中に通ることができます。この通りにはパームシュガーや手作り籠などを売っている個人雑貨店が並び、パームシュガーを売る店はプラダック村とその周辺まで広がっています。シヴァタ通りやパブストリートといった市街地からはトゥクトゥクで20分程度。個人で遺跡を回る方は、道中立ち寄ってもらうように交渉するといいでしょう。
パームシュガーを作るご家庭にお邪魔しよう
パームシュガ―の製造工程は誰でも気軽に見学できます。いずれも自宅の敷地内で作っているので、自由に入ってかまいません。ただ、見学させてもらった暁には、パームシュガーを買っていってくださいね。
パームシュガーはカンボジアだけではなく東南アジア全般で作られています。ヤシ科の木や実を原料にしているので、南国の国々の代表的な食品といえるでしょう。ただし、カンボジアで作られるパームシュガーは質がいいと評判。お隣のベトナムでもメコンデルタ一帯でたくさん生産されていますが、彼らいわく「カンボジアの方がおいしい」とのこと。
そもそもパームシュガーとは
ガイドブックやネットで調べてみると、「パームシュガー」と書いてあったり、「ココナッツシュガー」と表記されていたりしますね。厳密にいえばこの2つは異なりますが、日本人にとってはほぼ同じと考えられていて、あまり区別はされていないようです。ちなみにこちらで作られているのはココナッツの実が原料ではない様子。それでは見学させてもらいましょう!
ニッパヤシから作るパームシュガー
このプラダック村で主に作られるパームシュガーの原料は「ニッパヤシ」というヤシ科の植物。背の高いものは10メートルほどに達します。日本人にはあまり聞きなれない植物ですが、東南アジアでは南国を象徴する定番の植物。
こちらはニッパヤシの実をくりぬいてとれる半透明の個体。これだけではあまり味がないので、砂糖水につけて売るのが一般的。食感はイモのような歯ごたえがあり、いままで食べたことがない新しい味を楽しめます。レストランなどでは売っていなく、路上屋台でよく見かけます。
パームシュガーの作り方
パームシュガーの原料となる椰子の実やニッパヤシの実を大きな鍋に入れて、ひたすら煮込みます。その時間は3時間以上。ただ煮込んで待つだけではなく、その間はずっとかきまぜていなかればならないので、手も疲れますし熱で熱いしで、この工程が製造過程で一番大変とのこと。二人以上で交代で当番するようです。
じっくりと煮込んだあとは、御覧のように固体化します。これでほぼ完成ですが、このままだと見た目も悪いのでヤシ科の葉できれいに包む作業を行います。
この状態でパームシュガーの個体は完成。パームシュガーは液体、顆粒、固形の3種類があります。こちらの固形タイプは最も人気でお土産に最適。蟻に気を付けなければなりませんが、数か月から1年近くもちます。コーヒーに入れるのもいいですが、子供ならそのまま食べるのもお菓子感覚でおいしいです。
ここでは御覧のようにプラスティックのボトルに入れられて売っています。パッケージがなく素っ気ないので、大切な人へのお土産であればお土産店で買うのもいいかもしれませんね。小さなボトルのもので値段は1ドル程度から。高くても4ドル程度とお土産店で買うよりも半値以下で買うことができるので、友人へのばらまき土産に考えている方は、ここでたくさん買っておくのもいいでしょう。雑な感じもカンボジアらしくていいのでは?
指ですくって舐めてみてください。固形のシュガーとはまた違う濃厚な舌触りを楽しめます。こちらもコーヒーや調味料として利用することができます。日本人旅行者曰く「おせんべいにこれを塗って食べたらおいしい」とのこと。塗ったあとにレンジで温めると、より香ばしく香味が立つそうです。
こちらは粉末。主に調味料として利用できます。野菜と肉をフライパンで炒めるときに一つまみから二つまみ撒いてみてください。どんな料理でもカンボジア料理になります。サトウキビに近い非常に甘い香りと味なので、東南アジア料理が好きな方はきっと気に入ることでしょう。自分用や母親に向けて一ついかがでしょうか。
カンボジアらしい観光になる予感
観光名所をすべてツアーで巡るのであれば、このプラダック村に立ち寄る機会はないでしょう。しかし、カンボジアらしい光景と時間を体験する上でも、是非立ち寄ってほしい観光スポットでもあります。ツアーが終わった後でもいいですし、滞在中1日は個人の時間を作って、自分で訪れてみてはいかがでしょうか。