普段はなかなか頻繁に食べることがないシーフード料理。でも、物価の安い東南アジアに来たのであれば、カニやエビといった料理も食べておきたいところですね。今回紹介するお店は、レストランではなく食堂。とはいってもホーチミンの中心に建ち、外国人も多いことからメニューには英語表記もされているので、安心して足を運んでください。
今回は地元住民にも外国人にも人気の「クア・モッ・カン」をご紹介します。
場所はファングーラオの近く
通りの名前はグエンタイホック(Nguyen Thai Hoc)通り。ベンタイン市場からバックパッカー街のファングーラオ通りに行く道中にあります。グエンタイホック通りから向かいに伸びているファングーラオ通りに渡らないで、そのまま歩道を歩くと左手に見えてきます。営業時間は午前10時からですが、朝からカニを食べる人はさすがにいないので、日中までは閑散としています。食堂なので冷房があるわけでもないので、旅行者も行くのであれば夜がおすすめです。
店内も屋外席もおすすめ
ベトナムで食堂というと、ゴミが散乱している小汚いイメージがありますが、こちらは別格。だてにホーチミンの中心で大きく構えているわけではないようです。通路はゴミ一つ落ちていなく清潔で、テーブルにはテーブルクロスが敷かれ、スタッフも英語が話せる人が複数人います。ちなみに、こちらのお店は本店が1区を北上した3区にあります。筆者は2時間近くこのお店にいましたが、客層はベトナム人と外国人が6対4程度の割合。すぐ向かいのバックパッカー街から歩いてきた欧米人が多くいました。
カニは自分で選ぶ
こちらがベトナムのカニ。日本で見るカニよりも一回り小さいサイズですが、これでもベトナムの中では大振りを用意しています。こちらのお店では、カニを自分で選ぶことができます。店内入ってすぐ左手にカニが並んでいて、値段もサイズによって決められていますので分かりやすいです。一番安いので25万ドン、日本円で1250円程度。たいして一番大きなサイズだと45万ドンと2250円程度します。「意外と高いな」と思うかもしれませんが、大振りの45万ドンのカニ一匹で二人分ありますし、カニだけではなく別の海鮮やベトナム料理を食べるのであれば1匹で十分すぎます。
日本ではどれも同じ品質なので、わざわざ注意深く選ぶ人はあまりいないかと思いますが、ベトナムではそうはいきません。重さや活きなどを確かめる必要があります。とはいっても手に持つのが難しい方は、素直にお店の人に選んでもらいましょう。
カニ以外ではエビと貝、魚があります。これらは実際見ることはできませんが、場合によっては時価なので値段はスタッフに確認することができます。ちなみに最近ベトナム人の間で流行っているのが海老の刺身。日本人にとってはスーパーでも売っているありきたりの料理ですが、ベトナム人にとっては新鮮。「これにワサビとレモンを付けてビールと一緒に食べるのがおいしいんだよ」とスタッフが教えてくれました。
15分くらいで早速運ばれてきました。カニの調理方法はいくつかあり、人気はご覧の鍋、もしくはタマリンドで炒めたもの、または玉ねぎとニンニクなどで香味を付けた炒め物になります。ベトナム人の間ではカニ鍋が一番おいしい食べ方だと言われていますが、旅行者の方はタマリンド炒めも目新しくておすすめできます。
カニ鍋の場合、スープ出汁はトマトベース。日本ではまず味わえないですね。ベトナムの鍋ではどこにでもある定番中の定番で、タイ風、チュアカイなどと呼ばれています。こちらのスープは酸っぱくて辛いのが特徴。酸味が苦手な日本人は多いかと思いますが、慣れてしまうと意外と病みつきになります。一応注文したカニ以外にも多少の野菜は鍋に入っていますが、これだけでは不十分なので、鍋を頼んだ人も他の惣菜系の料理も1~2品注文しておくといいでしょう。
夜になると道を歩く行商の姿も多く見えます。ご覧のこちらは、行商のおばちゃんから買ったうずらの卵。10個で2万ドン(約100円)です。殻をむいて、卵に塩をつけていただきます。ビールにも合うのでベトナム人はこれが大好き。その他ピーナッツや果物を売り歩く行商人もいました。ファングーラオにほど近いグエンタイホック通りは、夜遅くまで営業しているお店がたくさんあるので、自然と行商の人たちも集まってきます。多少煩わしいときもありますが、旅行者にとってはそれらも含めて「ベトナムらしい時間」をおくることができるはずです。現地人を寄せ付けないような小奇麗なレストランで贅沢シーフードもいいですが、ホーチミンの町に溶け込んだ生活をするのも悪くありません。
<DATA>
名称:クア・モッ・カン(Cua 1 Cang)
住所:134 Nguyen Thai Hoc St. Dist.1
営業時間:10:00~23:00