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旅行者は絶対注意!悪質な両替商の手口を公開

ベトナムの通貨は「ベトナム・ドン」。単位は「VND」もしくは「d」などと表記されます。5~10年前まではアメリカドルを使えるお店が多かったですし、観光の中心エリアでは日本円も利用価値がありました。しかし、ここ数年で政府による通貨規制が厳しくなり、一般的な商店と消費者間の取引でドルや円といったドン以外の通貨が使用しずらくなりました。まだ外国人観光客が多いドンコイエリア内のスパや雑貨店の一部では使えますが、政府によるベトナム通貨を広く流通させたい意思が顕著に感じられるようになったので、今後はますます滞在中ベトナムドンに依存することになりそうです。

そこで、旅行者が必ず通る関門が「両替」。日本円もしくはアメリカドルからベトナムドンに両替する人は、悪質業者に注意しなければなりません。今回はは悪質な両替商の手口をご紹介します。

ベトナムドンは基本現地で換金する

個人経営の両替商は多い

日本で外貨両替といったら、原則は銀行となりますね。しかしベトナムを含む東南アジアでは、個人経営の両替商が多数点在しています。場合によっては銀行よりもレートが良いことが多いですし、たいてい観光の中心にあるので、旅行者には便宜的です。一方銀行は不正の心配はほぼありませんが、どこに行けばいいかわかりませんし、パスポートの提示を求められます。また、ベトナムの銀行は現地人で混雑しているので、かなり待たされることもあるでしょう。

旅行者が1日中行き交うホーチミンのタンソンニャット空港。ハノイはノイバイ空港となる

上述したことから、旅行者は必ず現地でベトナムドンに両替することになります。日本の空港内に営業している銀行の一部ではベトナムドンへの両替が可能のところもありますが、レートがあまりよくないので、できれば現地で両替したいところ。両替場所は空港内部の他、市街地の外国人が多く行き交うエリアとなります。ハノイであれば、ハノイ大教会周辺、ダナンであれば、ダナン大聖堂の通り、ホーチミンであればドンコイエリア、およびベンタイン市場周辺となります。

注意すべきは、お店と従業員

よく聞くのが、「ここのお店は大丈夫」というもの。しかし、その考えはちょっと怖いですね。なぜなら、両替をするのはお店ではなく、お店で働く従業員ですよね。どんな優良店でも、従業員が悪質であれば被害に遭います。優良店の場合は、その被害に遭う確率が低い程度。やはり危機管理は忘れてはいけません。

外国人および外国に暮らす日本人が常々思うのは、日本は非常に特殊な国であること。日本の場合は何においても、取引の前には必ず『信頼』が成立していなければなりません。信頼で取引を行う日本という国は、外国、それも東南アジアから見ると稀な存在。ベトナムでも同様です。お店や相手を信頼する前に、まずは疑ってください。それが被害を避ける最短かと思います。

悪質な手口は東南アジア共通

10万円以上の両替はなるべく控えるべき。その場ですぐ数えられなくなる

実は、今回紹介する「悪質な手口」というのは、ベトナムだけではなくアジア共通、もしかしたら欧米でも見られる所作かもしれません。その多くはインフレによって紙幣価値が低くなっている国で行われています。東南アジア旅行した方ならご存知でしょうが、日本の5万円を両替すると、国によっては札束になることが多々あります。そのような国です。

ベトナムの最高紙幣は50万ドン札。日本円に換算すると約2500円程度です。両替商や銀行では、50万ドン札が切れることもあるので、その場合は次の20万ドン札、およびその下の10万ドン札が混じることがります。もし5万円を50万ドン札で両替すると20枚、20万ドン札だと50枚、10万ドン札だと100枚になります。50枚以上だと分厚い札束ですね。

従業員が一度こちらに数えさせたら要注意

びっくりする札束の山。すべて20万ドン札で計100万円分となる

悪質な店(従業員)の手口は以下。

1、従業員側が両替したベトナムドンを用意

2、ベトナムドンをお客に渡して、確認させる

3、こちらが確認したあと、もう一度従業員が受け取って確認する

4、従業員が確認したのち、受け取って終了

これが基本的な流れ。「普通じゃないの?」と思われるかもしれませんが、まず注意してほしいのが "2"。最初に渡されたこの時点では、相手は正規の金額を渡しています。ですので、ここで数えても問題ありません。しかし、数え終わったあと、従業員が「もう一度数えるから貸して」と合図してきます。そして、従業員が再び数えはじめるのですが、そのときに、数えながらお札を床に落とすのです。窓口があるのでその様子はこちらからでは見えません。その後従業員がこちらに返却した金額は不足しているという算段です。上述したように、高額の両替だと札束になるので、お客も手間がかかるので再度確認しようとは思いません。これが悪質な従業員の手口。

失敗しない両替方法

インドネシア、フィリピンなどでよくみられる手口だが、ベトナムでも普通にあり、ベトナム人も気を付けている

このような手口を回避する方法としては、

1、5万円以上は一度に両替しない

2、両替して数えている現場を見せてくれる店を選ぶ

3、札を数える機械で何度も確認している=手で一枚一枚数えている店は危険

4、なるべく20万ドン以上で両替してもらう

5、口コミで人気のお店に行き、穴場にはいかない

不利にならない安全な両替を

以上のことを守れば、基本安全な両替ができることでしょう。5の「穴場」というのはソフトな表現ですが、いわゆる誰も客がいない店は、何かしら理由があることを疑った方がいいということです。ベトナム人自身もドン通貨に対して疑念を持っているので、お金が溜まったら金やドルに両替します。ですので、レートが高く、信頼できる人気のお店は、外国人だけではなく現地人も大勢利用しているので、1日中混雑しています。むしろ、そういう店がねらい目となります。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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