ハノイの世界遺産といえば、「ハロン湾」が人気。しかし、ハロン湾はハノイから南下すること4時間程度。そこで、今回紹介するのは、ハノイの中心市街地にある世界遺産「タンロン遺跡」です。聞いたことがないという人も多いでしょうが、こちらは2010年ユネスコ世界遺産認定と、まだ比較的新しい観光名所。遺跡の発掘がはじまったのも2004年とまだ日が浅いです。
旅行者にとっては非常に足を運びやすいスポットなので、ハノイ観光の際は是非訪れて見学していってください。
アクセス
場所はホアンキエム湖からホーチミン廟へ行く道中。ベトナム軍事歴史博物館に隣接しています。また、立地はホーチミン廟よりなので、元気がある人はホーチミン廟まで歩いていくことも不可能ではありません。ただし30分くらいは歩きます。タンロン遺跡の滞在時間の目安は60分程度。ホーチミン廟、ホーチミン博物館、ホーチミンの家などと組み合わせて半日プランを作ってみてはいかがでしょうか。
タンロン遺跡見学の注意点
タンロン遺跡に入場する際は、まず最初にチケット売り場に行かなければなりません。敷地内はこんだけ広いにも関わらず、チケット売り場は一か所のみ。場所は端門の南、軍事歴史博物館の傍です。タクシーで行く場合は注意が必要で、端門で降ろしてもらわないと、チケット売り場まで歩かなければならなくなります。
旅行者の口コミを集めてみると、多くの方が正北門に降ろされているようです。正北門は世界遺産登録されている北端に位置する1805年に建てられた門。上部にはフランス軍の艦艇から受けた砲撃の跡もあります。
門は楼閣になっていて、展望台に一般客も上ることができますが、入場するためにはチケットが必要。正北門からチケット売り場までは歩いて15分~20分程度かかります。タクシーが勘違いしないように、端門まで案内してもらいましょう。ちなみに端門はホアンジエウ(Hoang Dieu)通りとディエンビエンフー(Dien Bien Phu)通りの交差点傍にあるので、タクシーにそう告げると近くまで連れて行ってくれるはずです。
展示室もあり
世界遺産に登録されているタンロン遺跡ですが、まだまだ発掘調査段階。一般公開されているのは「端門(南門)」、「敬天殿」、「後楼」、「正北門」。いずれも門や断片的な石像のレリーフなので、なかなか当時のイメージが付きにくいのが現状。
そこで、是非立ち寄ってほしいのが、発掘品が展示されている博物館。博物館といっても仰々しいものではなく、シンプルな内装に点々と展示品がある程度。しかし、ここで発掘された貴重な品々ばかりです。
世界遺産「タンロン遺跡」の概要
タンロンとは日本語で「昇り龍」。ベトナム人は神話の中で龍の子孫とされています。また、ベトナムの地形もよくみると昇り龍のようとも言われています。ちなみに、ベトナム戦争時代に生きた男性の中には、タンロンという名前の方も多くいます。
そのタンロンはハノイの旧称。1010年から1804年まで、北ベトナムの首都はここタンロン城でした。このタンロン城は一説には数キロ先まで城下町が続いていて、ホアンキエム湖北部に広がる旧市街もその一部だったのでは、と言われています。数多くの王朝がここで政権を築き、中部フエのに勢力を移すまでは、ここタンロン城が本拠地となっていました。
正門となる端門(南門)
端門(南門)は入場口入った最初に目にすることができる世界遺産。傍は緑豊かな芝生が広がっていて、端門をバックにコンサートライブなどが開催されたりします。楼閣になっていて、一般客も上ることができ、高台から望む景色は絶景です。
また、裏側は発掘調査中で一般公開されていません。世界遺産を現在進行形で発掘しているというのは、男のロマンをくすぐります。
敬天殿
速足で歩いていると、つい見逃してしまいそうになるこちらの石像。石段の手すりとなっていますが、それにしては何度も迫力があります。実は、この手すりのある石段の上には、皇帝のいる宮殿があったのではないかと言われています。現在はまだ発掘段階ですが、貴重な土器などが多々見つかっているので、今後数年かけて本格的に発掘調査に入るようです。
世界遺産に想いを馳せる
タンロン遺跡に赴く前に、多少なりともタンロン城の歴史を勉強しておくといいでしょう。敷地は広く、北ベトナムやフランス軍が使っていた軍事作戦室などもあります。メインはタンロン城跡ですが、抗仏戦争およびベトナム戦争に興味がある方も同時に楽しんでいただけるようになっています。
<DATA>
名称:タンロン遺跡
住所:12 Nguyen Tri Phuong,9 Hoang Dieu
営業時間:8:30~11:30、14:00~17:00 ※月、金曜は休日(正北門は水曜)