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愛の都「ダラット」の市街地を散歩

ダラットはベトナムの中南部に位置している山岳高原地帯。小説好きの方であれば、作家・林芙美子氏の「浮雲」でダラットが舞台となり紹介されたことで知られています。外国人にとってはまだそれほど知名度はなく、ガイドブックや観光サイトで大々的に紹介されるようになったのはここ数年のできごと。

しかし、ベトナム人にとっては古くから愛の都、恋人たちの聖地と呼ばれていて、ハネムーンの定番旅先として人気があります。今回は、そんなダラットの観光の中心を歩いてみたいと思います。素朴な日常の発見が旅行者にとってはうれしいことでしょう。

中心市街地はどこ?

山岳高原地帯とは思えない美しい町並み

ダラットの町の中心はダラット市場とその周辺です。こちらがダラットの中心であり、観光エリアの中心となります。坂を下った2月3日通りも同じく市街地の中心ですが、どちらかというと住宅街が続き、現地人のダウンタウンとなります。旅行者にとってはダラット市場周辺を拠点に観光するといいでしょう。

サイクリングにも最適

グエンティミンカイ通り沿いには、観光客向けに自転車のレンタル屋がいくつかあります。一人用はもちろん、二つのサドルがあるカップル向けのタンデム自転車もレンタルできます。

ただし、ダラットは山岳高原地帯なので、勾配が急な坂が市街地にも多くあります。自転車をメインの移動手段とするのはきついかもしれませんね。スアンフーン湖周辺、ファンボイチャウ通り周辺、グエンバンチョイ通り周辺までが移動範囲内となるでしょう。

ファンボイチャウ通り周辺を散歩

メインストリートともなる通り

ダラットは山岳高原地帯であるものの、市街地はアスファルトの道路がしっかりと整備されていて、ホーチミンやハノイと比べるとかなり清潔です。もちろん都心よりもバイクや車の交通量もありませんし、いちいちクラクションを鳴らすせっかちな運転手もいません。

旅行者の多くはホーチミンとダラットの2都市周遊をされているかと思いますが、ホーチミンのあとにここに来たら、まるでベトナムではないかのようです。

日本でも昔見た日常

ファンボイチャウ通り周辺は観光の要所になり、市場以外これといった見どころはありませんが、ホテルやツアーデスクが多く並び建っているので外国人観光客の姿を多く見かけます。

レストランはレーダイハン通り、グエンチータン通り界隈で探すのがおすすめです。お洒落カフェやダラット名物を扱うレストランが多くあります。

グエンバンチョイ通り周辺を散歩

縦長の住居が続く

グエンバンチョイ通りは現地人の生活を垣間見ることができる通り。坂を下りなくていいので、ローカルな雰囲気を感じたい方はこちらを歩くのがいいでしょう。道中には現地人が足繁く通う食堂、日用雑貨店、花屋、教会、洋服店などがまばらにあります。ゲストハウスもいくつかあるので、安宿を探している旅行者はファンボイチャウ通りと含めてこちらも歩くといいでしょう。

リートゥーチョン通りを散歩

どこからでも景色は絶景

グエンバンチョイ通りをさらに進み、教会先の緩い傾斜の坂を上がって市場方面へ戻るように道を蛇行すると、道沿いに御覧のような山岳地帯らしい絶景を見渡すことができます。どこからでも眺めることができます。

一般住宅

ダラット市街地は田舎風情漂う町並みといえども、やはりフランス人が開拓して街づくりをしたとあって、道中並ぶ家々はモダンな西洋風の建物。別荘地としても有名で、ハノイやホーチミンに住んでいる富裕層がダラットで別荘を持っていることもあります。

Vカフェ

リートゥーチョン通りには数多くのカフェレストランがあります。写真のこちらは「Vカフェ」。欧米人の生演奏が夜にある人気のカフェレストランです。ウエスタン調の内装はシックでお洒落。カントリーソングを聞きたくなるような、そんな雰囲気あるお店で、主に欧米人観光客が多く訪れます。

スアンフーン湖を散歩

ダラットの象徴

スアンフーン湖はダラットのシンボル的存在。近年は汚染問題も取り沙汰されていますが、依然としてその存在感は失われていません。スアンフーン湖に沿って走る通りはチャンクオックトアン通り。とても長い通りなので、徒歩で一周はできませんん。

旅行者に人気のお土産店。最近はホーチミンにもある

湖沿いにある「ラングファーム」は、ダラットの名物であるジャムやワイン、ドライフルーツなどが置いてあるお土産店。チェーン店なので、市場から湖周辺にかけて複数店舗構えています。お土産の調達は市場並びにこちらがおすすめです。

ブルーウォーターレストラン

スアンフーン湖周辺で一番人気のカフェ。湖畔に建っているため、すぐわきに広がる湖を眺めてコーヒーブレイクをとることができます。ダラット名物もあるので、ここでしっかりと食事をとることも可能です。

ナイトマーケットを散歩

規模はかなり大きい

ナイトマーケットはダラット市場周辺で毎夜開催されています。御覧のように料理や洋服、雑貨などを扱う屋台が100程度出店し、グエンティミンカイ通り沿いには食堂もオープンエアで営業をはじめます。屋台傍には食事をとれるテーブル席が十分あるので、ここで食べるのもいいですし、カフェやホテルに持ち込んで暖かい部屋でゆっくりと楽しむのもいいでしょう。

ダラットはナイトライフを楽しめるお店がそれほど多くありませんので、滞在中は毎夜ナイトマーケットを楽しむことになります。

洋服をうる露店

洋服を売るお店はたくさんあります。そのお店すべてが長袖やセーター、ジャンパーなど厚手の冬服を扱っています。南国のベトナムとは思えないですね。一着500円程度で買えるものもありますので、もしデザインが気に入ったら、日本でも着る冬服を調達していってもいいかもしれません。

恋人たちの夜は遅くまで続く

ダラットの素朴な町を楽しむ

ダラットの町はそれほど大きくはありませんが、上述したように坂が多いため、メインとなる移動手段はタクシーかレンタルバイクとなりそうです。ただし、今回ご紹介した市街地エリアは、徒歩での散策が可能。もちろん自転車をレンタルしてサイクリング気分で町を疾走するのもいいでしょう。

ダラットの町を時間を忘れて散歩して、そこに暮らす人々の生活や景色に触れてみる素朴な旅もいいものです。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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