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ベトナム人の田舎の戸建てはこんな内装です!

ベトナムの町を歩いていると、よく見かける縦長の一般戸建。だいたい3階から4階の階層で、1階(グランドフロア)がダイニングリビングで、2階以降はワンフロアにつき2つ部屋がある間取りとなっています。「ベトナム人って日本の一般戸建より広い間取りに住んでいるんだな」と思うかもしれませんが、やはりこのような家に住むのは、都心で働くことができる一部のベトナム人のみと考えてください。では、田舎風情漂う郊外エリアでは、どのような家が一般戸建なのでしょうか。

今回はベトナム南部のホーチミンからバイクで1時間ほど走ったところにある「ロンアン」と呼ばれる隣町に行ってみました。そこで、友人の家にお邪魔したのでその内部の様子をご紹介したいと思います。

ベトナムらしい田舎風景が広がる

田園風景が広がる

ロンアンはホーチミンの隣町とはいうものの、メコンデルタ地方にほど近い距離なので、広がる風景はかなり田舎。辺りを見渡してもこのような農村地帯がどこまでも続いています。エアコンの効いたカフェもなければ、コンビニだってありません。昔ながらの個人商店が軒を連ねていて、いつもの常連客で賑わう、そんな絵に描いたような田舎町です。高層ビルもショッピングセンターもスーパーマーケットも当然ありません。日本人からしてみたら、いささか信じがたいかもしれませんね。

田舎に住むベトナム人の一般戸建

かなり小ぢんまりとしているが......

旅行のガイドブックにも紹介されていませんし、ツアーでもこのような一般戸建は早々中を見学することはできません。旅行会社の中には1泊ホームステイを催行しているところもありますが、一般戸建よりはやはり広い造りとなっています。

こちらは本当に普通の田舎の家。一階のみですが奥行きがある造りとなっていて、敷地は庭を含めて広いです。ちなみに、こちらの戸建を購入するのであれば、いくらくらいだと思いますか。田舎といえども場所によって価格はかなり変わってきますが、だいたい500万円ほどとなります。高いと考える方もいるかもしれませんが、ベトナムは元来土地価格が高いと言えます。

広い庭

竜眼と呼ばれる果物

多くの家は広い庭を利用して、果物や野菜を自家栽培しています。菜園とまでは行きませんが、ちょっとした果物や野菜を作って近所に配ったり、家庭で料理を作ったりすることができます。写真のこちらは竜眼。皮を向くと半透明の実が出てきて、果肉を頬張ります。中の種まで噛んでしまうと渋みが出てしまいますのでご注意を。ベトナム人の中には竜眼が大好きな人が多く、季節もので出回らない時期も多く、また値段も他の果物と比べると多少高めとなっています。ホーチミンであれば中心地でも買えますので、ベンタイン市場に行ってみるといいでしょう。

ヘチマもぶら下がっている

家畜の飼育も当たり前

まさかのサイドビジネスも可能

こちらの庭には鶏が22羽、アヒルが20羽、総勢44羽の家畜が飼育されていました。これももちろん田舎の家ならば当然。誰も驚きもしません。もっと広い庭や田んぼを持つ家であれば、水牛を飼うのも普通です。ちなみに、この家畜は自宅で食べたり、市場でまとめて売ったりするために育てています。鶏は雛から約6か月で売ることができるようになります。一匹800円程度で売買されますが、6か月の間育てなければならないので、その間の餌代がばかにならなく、数千匹単位で育てないととてもではないけれど、これだけで生活はできないらしいです。

間取りを紹介

どこの家も似たような間取りとレイアウト

早速間取りを紹介します。入った正面に広がるのはリビング。ハンモックが南国らしいですね。テレビ、テーブルチェア、お供えする仏壇などが定番で、どこの家も似たような配置です。床はフローリングや絨毯ではないので、掃除は箒と水拭きだけで、掃除機を使う家庭はほとんどありません。

蚊よけの蚊帳がいかにも田舎を感じる

こちらが寝室。やはり農村地帯なので蚊がたくさん発生しますので、蚊帳は必須。都心ではベッドが当たり前ですが、田舎ではまだまだ床で寝る習慣が根付いています。友人や親せきなど大人数で寝泊まりすることもよくありますので、そんなときはリビングなどで布団もかけずに寝ることもしばしば。

キッチンスペースは広い

入口からリビング、その奥の通路にある寝室。さらに通路を歩いた先はキッチンスペース。青いタイル張りの通路横にはトイレとシャワールームがあります。トイレは洋式でした。キッチンスペースは広いですが、換気扇がないので煙に巻変えれると蒸せて、なおかつとても暑いので、油ものなどをするときは外で作るのが普通です。ですので、田舎から出てきたベトナム人がマンションに住むと、マンションの廊下で焼き鳥を焼いたりするので、煙とにおいが充満して騒ぎにも発展します。

一家に一台あるカラオケ機

家族みんなで熱唱します

ベトナムは都心においても娯楽施設がほとんどないのが残念なところ。田舎には本当に人々が楽しめるものがありません。なので、彼らの唯一の楽しみは「自宅でカラオケ大会」です。外まで響く大音量でカラオケで日夜楽しみます。日本だと近隣からクレームがきたり、最悪警察沙汰にもなりかねますが、ベトナムではみんなが同じことをしているので、これも普通。歌を聞きつけた近所の大人たちが、「私にも歌わせて!」とやってきてカラオケ大会がはじまるのがいつもの常です。

ちなみにカラオケ機は本体とチューナー併せて、3万円程度。スピーカーも買うと4~5万円します。

ベトナム人の自宅にお邪魔します

ホームステイ以外旅行者には縁のないことかと思っている人もいらっしゃいますが、ベトナム人は客を自宅に招く習慣が根付いています。旅行の道中知り合ったベトナム人に、「私の家に招待したい」と言われることもしばしばあります。そんなときは快く応じて、お邪魔してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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