チャウドックはホーチミンから西へ6時間から7時間の道のり到着する、メコンデルタ地方の港湾都市。北部にある国境を超えると、そこはもうカンボジア。陸路でもボートでも国境を渡ることができます。
チャウドックはメコンデルタ地方を周遊する旅行者に人気の都市ですが、日本人にはまだあまり知られていない様子。ガイドブックやウェブをチェックしても、あまり情報は載っていませんね。そこで、今回はチャウドックの町並みをご紹介したいと思います。
チャウドックまでの行き方
ホーチミンから出発するのであれば、ツアーバス(長距離バス)がおすすめです。チケットを手配する際は、必ず寝台バスを予約してください。寝台バスであれば寝そべることができるので、ゆっくりと眠ったり読書したりと自分の時間を楽しむことができます。
バスは河川を超えるため、フェリーに乗ります。乗船中はバスから降りて休憩がてら広大なメコン川を望むことができます。売店など気の利いた施設はありませんので、風景を愛でるか、バスの中で待機するかとなります。
乗船時間は約15分程度。ちなみに、バスに乗っていたり、甲板を歩いていると、軽食を売る売り子が寄ってきます。お腹が空いている方は、何か買ってもいいでしょう。
さらにバスは西へ向かってひた走ります。だんだんと景色が田園風景に変わってきたら、チャウドックの町はもうすぐです。チャウドックでは冠水に備えて、いまでも田畑や川べりに建つ家は高床式となっています。こちらも見どころの一つですので、注意深く窓に映る風景を観察していってください。
チャウドックの町に到着~!
こちらがチャウドックの中心市街地です。正面に建つsacombankはベトナムでは有力の銀行
。そのほか多少のホテルとカフェなどが並んでいますが、ほかの都市と比べると全体的に田舎風情が漂います。また、ビルなど背の高い建物があるのはここだけ。5分も歩けばベトナム独特の田舎町に入ります。
チャウドックの名物はマムカーと呼ばれる魚を発酵した調味料。そのまま食べるとかなり塩辛いので、鍋や麺料理のスープのベースにするのが普通。
道を歩いていると、歩道に「Bun Ca/Bun Mam」と書かれた看板が見えてきました。チャウドックの名物はブンマム(Bun Mam)の方。ホーチミンでも食べれなくはないですが、旅行者は見つけるのが困難ですし、何よりそれほどおいしくありません。チャウドックで食べるブンマムは非常に濃厚で味にメリハリがあり、道端の屋台であってもとってもおいしいです。
豚の看板をたくさん発見
町を歩いているとしばしば発見できる子豚の看板。こちらは仏教寺院に行く際のお供え物。市街地から離れた郊外のサム山には、バーチュアスー廟があり、熱心な仏教徒はそこに行く道中に子豚の丸焼きを調達します。
子豚の丸焼きは寺院内で供えたのち、僧侶の方々に譲ります。ただし、自分たちが食べるように買ってもいいですし、ホーチミンの市街地ではレストランで食べることもできます。中国由来なので、中華レストランに行けばたいていメニューにあります。表面の皮がぱりぱりで香ばしく、ジューシーで美味です。
町中に漂う匂いの正体
チャウドックの町は、最初に紹介したサコム銀行周辺と、その裏手にあるチャウドック市場がそのすべてといっても大げさではありません。その町全体から漂う異様な匂い......その正体がこちらの「マムカー(Mam Ca)」。Mamとは食品を塩漬けにしたものを指し、Caは魚。魚の発酵調味料です。お店も各家庭も道端や市場で売っているマムカー屋さんで調味料を調達します。
御覧のようにマムカーと一概にいっても、数十の種類があります。値段は1キロ10万~15万ドンの間で取引されています。確かに匂いには強い癖がありますが、ホーチミンやほかの都市では見られないチャウドックの名物でもあるので、見つけたら少しの間立ち止まって、商品を物色していってください。
毎日活気に溢れるチャウドック市場
チャウドック市場の様子。両脇にびっしりとお店が並んでいて、その間を通り抜けるように屋内に入っていきますが、この屋外だけの散策でも十分楽しめます。屋外はチラン通り、バクダン通りと市場周りの道に隙間なく店が軒を連ねています。
マムカーや野菜、肉、魚介、果物、日用雑貨、あらゆるものがここで手に入ります。この周辺にはスーパーと呼べる施設がなく、また冷蔵庫で保存をする概念も薄いので、人々は毎日市場に顔を出して買い物するのが日課となっています。
素朴なチャウドックの風景に癒される
タクシーやバイクタクシーもここではほとんど見かけません。人々が利用する移動手段は、こちらのセーロイダップと呼ばれる自転車に荷台がついた乗り物です。もう一つの名所であるサム山へも、このセーロイダップで向かうことになります。
おじちゃんが漕ぐので、スピードは遅いですが、道中は流れゆく穏やかな景色を楽しんでください。日本ではなかなか味わえないゆっくりとした時間を噛みしめることができるでしょう。