ホーチミン観光では是非足を運んでほしい市場が2つあります。1つはホーチミンの象徴とも言えるベンタイン市場。そしてもう1つが、今回紹介する「ビンタイ市場」です。外国人旅行客に特化したベンタイン市場と比べて、ビンタイ市場は100%現地人向けの市場。しかし、そこらへんの青空市場とも雰囲気は異なる様子......。実はビンタイ市場は、巨大な卸売り市場なのです。ここでは朝から日暮れまで商人が行き交い、問屋と仕入れ交渉をしている様子をうかがうことができます。
アクセス
チョロンは5区と6区に跨る巨大な中華街。ビンタイ市場はチョロン観光の中心であり、5区と6区の境目にあります。ここから徒歩圏内では教会や寺院に行くことができます。
ホーチミンの1区からのアクセスは、タクシーで約20分程度。運転手に行先を伝えるときは、ベトナム語表記されたガイドブックや写真などを見せるのがおすすめ。ベンタイン市場と発音が似ているので、誤ってそちらに連れていかれる可能性もあります。ちなみにタクシー料金は片道18万ドン程度です。
ビンタイ市場外周
ホーチミンでシクロはもはや庶民の足ではなく、外国人観光客の名物乗り物となっています。ビンタイ市場の玄関前には決まってシクロが数台並んでいます。料金は交渉で、市場周辺の町並みを走ってくれます。ぼったくりも多いので、10万ドン以内に収まらないようであれば、避けるのもいいかもしれません。基本ここからほかの名所までは徒歩で行くことができますので、雰囲気を楽しむ以外にはあえてシクロを利用する必要はありません。
ビンタイ市場脇には、ご覧のように道幅が狭い通りがあります。この左右にも店が並んでいます。基本すべてまとめ買いです。ただし魚介や調味料を売っている小規模商店はこの限りではありません。現地の一般人の普段の買い物の場としても利用されています。
ベトナムの市場外周では、バイクに乗ったまま買い物するのが普通。ベトナム版ドライブスルーといったところでしょうか。バイクに跨ったままお店の人と商品売買のやりとりをして、商品を受け取ったらそのまま走り出して次のお店に止まる。そんな風景はベトナム特有ともいえます。
問屋は個人でも誰でも商品を買えますが、上述した通りまとめ買いが基本ですし、基本は日用雑貨や調度品、商売に使う備品なので旅行者がお土産に買うものではありません。その中でも屋台は旅行者も楽しめます。ココナッツやバインミーといったベトナム名物や、ガイドブックにも載っていないB級下町グルメも見かけます。もし怪しいものを売っている屋台を見つけたら、怖いものみたさで試食してみてはいかがでしょうか。
ビンタイ市場に潜入!
ビンタイ市場は2階建てでロの字状のフロア構成。ただし、大小狭い通りが迷路のように構成されていて、所狭しと店が並んでいるので、元来た道に戻るのは非常に困難。出口は複数個所あるので、もし外に出たければ、来た道を戻ろうとするのではなく、そのまま進んでいけばいずれは外に出ることができます。
市場の外壁に沿って並ぶ屋根つきの店は主に食品。豆やトウモロコシなど穀物を扱う店が多く並んでいます。すべて量り売りで、屋台や食堂を切り盛りしている店主が買いつけにやってきます。
数千の問屋がひしめきあう
市場内は数千の問屋がひしめきあって並んでいます。その正確な数は、管理人を含み誰も知らないとのこと。フロア内は服飾品と日用雑貨を扱う店で占められています。服飾品は洋服、帽子、サンダル、ベルト、下着、バッグが主。バッグは高級ブランドのコピー品もあります。とても安いのでおもしろがって買う旅行者も多いですが、日本に持ち込むのは違法となるので買わないようにしてください。
市場内の通りはこのように人がすれ違うのがやっと。リュックやバッグは人に当たったり、商品にひっかからないように胸の前持っていきましょう。また、スリも多発しているので、財布やアイフォンといった貴重品も、ズボンの横のポケットなど常に肌が触れる場所に隠しておきましょう。
洋服は1点から購入できます。複数枚買えば安くなりますが、ここは問屋なので基本格安の値段まで落ちるのは数十枚、数百枚単位で購入してからです。ここで売っている洋服のデザインは正直日本人好みではなく、ベトナム人の中高年の女性が好みそうなものばかり。ただし最近は若者受けしそうなデザインの服飾もにわかに増えてきました。
子供服は大人気
「安く仕入れて高く売れる」という子供服。ベトナム人は子供にかわいい服を着せるのに必死。特に女の子向けが充実していて、お姫様のようなドレス服が人気があります。男の子ようはタンクトップの涼しい服に、戦隊もののイラストがプリントされているのが人気。一枚200円~400円程度で購入することができます。日本ではあまり見かけない派手な服が多いので、家で着せたい服が見つかるかもしれません。
日用雑貨(調度品)エリア
近年はスーパーやショッピングセンターでフッ素加工の最先端技術のフライパンや鍋がベトナムでも出回ってきました。しかし、まだまだ市場で売っているのはアルミやステンレス製の鍋が主流。ベトナム人の一般家庭の台所をのぞいてみても、やはりこちらがまだまだ陣取っています。ステンレス製は安く長持ちすることで古くから使われています。個人商店の店主や日用雑貨店のオーナー、小さな小売店を営むバイヤーなどが揃って仕入れをしている様子をみることができます。
まとめ
ビンタイ市場では買い物をしようとするよりも、その雑多な雰囲気を楽しむに徹してみるといいでしょう。大量に仕入れた大きな荷物を運ぶ様子は日本では見る機会がない貴重なもの。中華街チョロンの最大の目玉としてお楽しみください。