ダナンはかつては交易の中継地点として栄えた港町でした。ここ10年で随分と発展したものの、まだまだ経済都市と呼ぶにはのどかな町並みが広がっています。そのほのぼのとした町は外国人旅行客にも人気があり、ハン川沿いのカフェで佇む人や、大きなリュックを背負ったバックパッカーが歩いている光景をよくみます。
今回紹介するのは、その観光の要所であるハン川沿いに構えるハン市場。現地人にとっては日々の台所ですが、外国人にとっては異国情緒を感じられる買い物市場となります。
早朝に歩いてみよう
ハン市場の営業時間は6時~19時頃まで。お店は市場の外回りまで溢れていて、早朝からお昼前まではこちらも活気があります。野菜や魚介、肉類などの露店が並び、市場独特の香りが周辺を漂います。それに釣られるかのように外国人も寄ってきては写真撮影をしたり、果物を買って食べ歩いている光景をみることができます。
ハン市場はダナン市街地の拠点にあることから、観光の拠点としても利用できます。宿泊先をまだ決めていない方は、市場周辺の低級~中級ホテルを探してみてはいかがでしょうか。安ホテルであれば一泊1000円程度で宿泊することができますし、中級であっても3000円程度とリーズナブルです。また、徒歩圏内にはダナン博物館、ダナン大聖堂、チャム彫刻博物館などが点在しています。ホイアンに行く方も、ここからタクシーに乗れば40分程度となります。
2階建ての屋内市場「ハン市場」
ダナン市内で外国人観光客が寄り付く市場は2つあり、一つはコン市場、もう一つがハン市場となります。前者のコン市場はほぼ現地人向けとなっているので、雰囲気を感じるだけならいいのですが、買い物はできません。ハン市場は場所もいいため外国人も多く訪れ、また雑貨や服飾といったお土産になりそうなものも置いてあります。
雑貨は入口付近
ハン市場はハン川沿いのバクダン通りと、一本中に入ったフンヴオン通りの2か所にそれぞれ出入口がありますが、雑貨を扱う店が密集しているのは、フンブオン通り沿いの入口となります。雑貨の中身は定番と呼ばれる置物、刺繍、陶磁器、木箱、宝石、キーホルダーなど。ただし、ダナンの特産でもある大理石像もほとんどのお店で扱っています。大理石は質量が高いため、小さな置物でも持ってみるとずっしりと重量を感じるのが特徴。逆に軽いのは偽物もしくは大理石が素材ではないので、選ぶときは注意が必要です。
乾物や干物もお土産に最適
雑貨系の他にも、1階には写真のような乾物、ドライフルーツ、インスタント、調味料などを扱う店が軒を連ねています。屋内は清潔感があり、床も清掃されているので、ゆっくりと商品を物色することができます。ここで売っているアイテムも手土産には丁度いいのでは。例えばバナナ、ココナッツ繊維、マンゴー、ジャックフルーツといったドライフルーツに、お湯を注ぐだけのベトナム産のインスタントコーヒー。ひと振りすればベトナム料理に変わるヌクマムやヌクトゥン、マントムといった調味料。いずれも自分用、家族用のお土産としていいですし、東南アジア好きの知人に贈れば喜んでもらえるでしょう。
写真のこちらは「ボーコーソイ(Bo Kho Soi)」と呼ばれる、いわゆるビーフジャーキー。日本人も好きな人が多いかと思いますが。ベトナム人だってビーフ―ジャーキーは古くから食べています。味が非常に濃厚なので、お酒の肴としてもいいですね。買うときは、まずは試食をさせてもらいましょう。ご覧のとおり野ざらしで売っているので、風味が飛んでいたり、固くなっている恐れがあります。また、量り売りとなるので200g程度注文しましょう。
そして干物も食べておきたい一品です。魚介類はすべてがダナンの名物。ベトナム人はダナン旅行のさい、決まって干物をお土産に買っていきます。イカの干物は網で焼けばより香ばしくおいしく食べることができます。また、はじめから味付けされているものもあるので、ベトナム風味を楽しみたい方は、そちらを選ぶのもいいかもしれません。ただし、唐辛子の味付けが多く、ちょっと辛いです。
2階でお洒落服を選ぶ
階段を上がった2階は、ほぼすべてが服飾関連の店で埋まっています。伝統衣装のアオザイからベトナムで流行りのワンピース、寝間着にいたるまで種類は充実。ボトムスはほぼデニムのジーンズとなっています。値段は20万ドン~50万ドンくらいが相場で、値段交渉は可能です。また、通りにはミシンで服を縫製している人もいますが、こちらは、ほつれや破れなどを直してくれます。旅行者であれば、毎日使っているリュックやポーチは生命線。もし破けていたり穴があいていたらこちらで直してもらいましょう。
売っている服はどれも生地の質はいいとはいえませんので、長く着るというよりは、あくまでもベトナム土産の一環として買う方がいいでしょう。ベトナム人女性は意外や意外、露出の高い服装を好む傾向にあり、見てみると胸元が開いたものや、お腹が出ているもの、ワンピースでも脇部分が広く開いていたり、スカートに深いスリットが入っているものが多くあります。
雰囲気を楽しんで
「買わずとも歩くだけで楽しめる......」それが市場の魅力でもあります。野菜売り場なんて、旅行者にとってはお土産にもならないし、買うこともできないので歩くだけ無駄だと思っていませんか。現地人の売買の様子や売り子の呼び声、売っている野菜や香辛料を見ているだけでも海外旅行の気分に浸れることでしょう。日本では経験できない異国の雰囲気を存分に体感していってください。
ベトナム人がこよなく愛するのが「カニ」。1キロ30万ドン~35万ドン程度で取引されていて、ベトナム人は蒸したり焼いたりするのはもちろんのこと、カニ鍋を楽しんだり、タマリンドと和えて食べるのもごくごく一般的です。ダナンの海鮮料理レストランに行けば、いずれも必ず食べることができます。調理方法はほとんどの店で自分で選ぶことができます。
ダナン観光の名所として訪れる
もしダナンに2日以上滞在するのであれば、ハン市場は必ず行っておきたいスポットですし、市街地にあるので行きやすいため、1日以下の観光でも行く価値はあります。まだベトナムで市場に足を運んでいない方は、まずは立ち寄ってみてください。きっとベトナムの本当の顔をみることができるでしょう。