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ベトナムの少数民族が一同集結!「民族学博物館」

「少数民族」というと、どこか遠く離れた国に向かって言う言葉のように感じますが、ベトナムはれっきとした多民族国家であることをご存知でしょうか。ベトナムには53の少数民族が全国各地に散らばって暮らしています。しかし、その暮らしや文化、慣習は未知の部分もまだ多いのも事実。今回紹介する「民族学博物館」は、彼らの文化を模型やパネル、映像で分かりやすく紹介しています。興味がある方も、そうでない方も楽しむことができる、一押しスポットです。

アクセス

白亜の外観

実は民族学博物館は、市街地からちょっと離れの場所にあります。ホアンキエム湖から行くとすると、ホーチミン廟を越えて、さらに西へと走ったところ。およそ15分から20分程度の道のりとなります。タクシーで行くのが無難ですが、一人で行くのであればバイクタクシーで行くのもあり。その場合は交渉必須です。また、周辺は立ち寄りスポットはありませんので、タクシーやバイクタクシーに待っててもらうのもいいでしょう。

53の少数民族が集結!

写真上はパネルコーナー

ベトナムには53の少数民族と、キン族で構成されている多民族国家です。キン族とは、ベトナム人口の8割強を占める、いわゆるベトナム人。ベトナム人はみんな身分証明カードを持っていますが、そこには民族名の記載欄もあります。ベトナム人にとって、少数民族は比較的身近な存在なんですね。しかし、それでも少数民族の人たちとキン族(ベトナム人)とでは文化や習慣は違いますし、言葉自体も異なります。

野生のゾウに跨る青年

ベトナムでは山岳地帯の中部中南部には、いまだ野生のゾウが生息しています。日本ではなかなか信じられない光景ですね。そんな野生のゾウを操るのも少数民族の彼らならお手の物。
中南部のバンメトートでは、少数民族と触れ合うことができるほか、彼らが飼っているゾウに乗って、密林を散歩するツアーもあります。

世界中の少数民族も

少数民族はミクロネシア、南米にも多く暮らしている

館内は空調管理完備の居心地のいい空間。中央が吹き抜けになっているので開放感があり、約1万5000の展示数もそれほど窮屈に感じません。離れにあるためか、人もそれほど多くはないので、ゆっくりと見学することができるはずです。

いまだ未知の民族も多い

世界にはいまだ未開の少数民族も多くいます。写真上の少数民族はイースター島に暮らす民族で、文化、習慣などまだまだミステリアスな部分が多くあります。ベトナムには少数民族を把握、管理、保護、保存する政府管轄の省がありますが、それでもまだベトナム政府ですら知らない未開の少数民族もいると言われています。

模型展示コーナー

展示コーナーには少数民族の日々の暮らしが紹介されている

模型コーナーでは、少数民族の素朴な暮らしぶりや、建築様式、民族衣装、文化、習慣、分布図などを展示しています。一部はレプリカもありますが、基本はどれも53の少数民族すべてを回って手に入れたので、希少価値があります。

ちなみに、ベトナムでは中部を中心に年に数回の洪水、台風被害に見舞われるので、少数民族の家は高床式住居が主です。これも生活の知恵ですね。

館内は北部、中部、南部とエリアごとに分けられている

展示コーナーは地域ごとに分かれていて、それぞれのエリアでは分布図と少数民族の紹介があります。少数民族の一番の違いは、民族衣装。それぞれに特徴があります。キン族の民族衣装は、もちろんアオザイですね。中国由来ですが、のちにフランスの優美で自由なデザインを取り入れていまに至ると言われています。

機織り文化はどこの民族もそれなりに発達している

ベトナムの民族衣装はホーチミンやハノイの市街地でお土産としても売られています。それほど品質は高く、市場では彼らの作る服や刺繍物は高く売買されています。特にタイ―族とモン族の民族衣装や刺繍は、外国人観光客が多く買っていく人気土産の一つです。

北部サパでは毎週マーケットが開催され、普段は山の麓に暮らしている華モン族が下山して、市場でキン族や旅行客に自分たちの民芸品を売っている様子をみることができます。もしハノイからサパに旅行される方は、ここで華モン族のことを学んでいくのがいいでしょう。

冠婚葬祭は非常に興味深い

少数民族の結婚式、葬式、成人の儀などでは、民族が何を信じているのかが分かります。ベトナムはキン族の8割は仏教徒と言われていますが、少数民族はその限りではありません。もともと閉鎖的で外部文化の流入がほぼなかったため、宗教を持たない民族も多くいますし、近代に入って、キリスト教を取り入れた民族もあります。ただし、基本はアニミズム。キッチンには火、ジャグジには水といった具合に、それぞれ固有の精霊、神が宿っていると信じられています。

コミカルな動きが人気の定番スポット

ベトナムのナイトスポットの一つとして人気の「水上人形劇」。これは北部の農村が発祥と言われています。とある農村では、昔雨乞いと娯楽を兼ねて、人形劇に興じていたとされています。その人形劇を発展させたのが、現在の水上人形劇。十数の短いプログラムからなる演目で、ハノイでもホーチミンでも内容はさほど変わりません。現在ではベトナム旅行の王道のナイトスポットなので、是非ご覧ください。ハノイではホアンキエム湖北部にあります。

<DATA>

名称:民族学博物館(Bao Tang Dan Toc Hoc Viet Nam)
住所:Nguyen Van Huyen St. Ha Noi
電話番号:04-3756-2193

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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